I-P2-21 ビデオ内視鏡検査評価結果の信頼性の検証 -検者間および検者内一致率

【目的】摂食・嚥下障害の診断にはVideofluorography(以下VF)検査が最も信頼性の高い検査とされてきたが, 近年ビデオ内視鏡検査(以下VE)は被爆がないことや, 持ち運びができるため往診などでも簡便に活用することができる汎用性の高さから, その有用性が多数報告されている. VFおよびVEは主観的判断に基づく画像診断であり, VF評価の一致率は誤嚥の有無を見る場合に高いこと, VFとVEの誤嚥有無判断の一致率が高いことは過去に報告されているが, VE自体の評価の一致率の報告は過去に存在しない. よって, 今回我々はVE評価用紙と評価基準を独自に作成し, VE検査の評価結果の信頼性に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.336-337
Hauptverfasser: 中根綾子, 戸原玄, 村田志乃, 大内ゆかり, 三串伸哉, 若杉葉子, 高島真穂, 都島千明, 梅田慈子, 鈴木瑠璃子, 大庭優香, 重栖由美子, 松田紫緒, 植松宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】摂食・嚥下障害の診断にはVideofluorography(以下VF)検査が最も信頼性の高い検査とされてきたが, 近年ビデオ内視鏡検査(以下VE)は被爆がないことや, 持ち運びができるため往診などでも簡便に活用することができる汎用性の高さから, その有用性が多数報告されている. VFおよびVEは主観的判断に基づく画像診断であり, VF評価の一致率は誤嚥の有無を見る場合に高いこと, VFとVEの誤嚥有無判断の一致率が高いことは過去に報告されているが, VE自体の評価の一致率の報告は過去に存在しない. よって, 今回我々はVE評価用紙と評価基準を独自に作成し, VE検査の評価結果の信頼性について検討したので報告する. 【方法】検者は摂食・嚥下に関する臨床経験のある歯科医師8名, 言語聴覚士1名. 顕性誤嚥, 不顕性誤嚥, 喉頭侵入, 咽頭残留, 早期咽頭流入, 声門閉鎖不良, 咀嚼不良, 食塊形成不良, 嚥下反射なし, 健常の各症例を含む合計10症例の画像をmpeg1形式にて保存したCD-Rおよび, 独自に作成したVE評価用紙と評価基準を各検者に配布した. 評価を4回行わせることで検者内一致率および検者間一致率の評価を行った. 一致率の検討にはCohen's Kappa統計量を用いた. 【結果】評価基準を用いない1回目とその他の検者内一致率は, 0.5-0.54であったが, 評価基準を用いた検者内一致率は0.59±0.14(2vs3回目), 0.61±0.12(2vs4回目), 0.76±0.12(3vs4回目)であった. 検者間一致率は, 1回目が0.39±0.21, 2回目が0.47±0.23, 3回目が0.43±0.26, 4回目が0.47±0.22であった. 【考察】検者間の一致率の1回目は低く, 評価基準を用いることで中等度となった. 検者内は評価基準を用いると高度の一致率となった. これらは検者自身における評価基準が明確になっていないことが明らかとなり, 評価基準は必須であると考えられる. 過去のVF評価の一致率に関する報告と比較すると, VE評価のほうが一致率が高い傾向が見られたことも, 今後さまざまな方面でのVE普及における大きな一助となると考える.
ISSN:1343-8441