II-P4-16 舌突出のみられた全前脳胞症の1歳3か月児への摂食指導の試み~地域での保健師と歯科衛生士によるケアチームの連携
「目的」当市では乳幼児を対象にした家庭訪問事業を実施している. 今回, 摂食・嚥下障害を呈する1歳3か月児に対する在宅指導の過程と保健師(以下PHN)・歯科衛生士(以下DH)の連携について報告する. 「対象」1歳3か月女児, 全前脳胞症. 身長70.3cm, 体重7,400g, カウプ指数14.97. 口蓋裂なし. 定頸やや不安定. 両親と他者で反応の違いあり. 著明な人見知りなし. 有意味語はなく, 声だしのレベル. 指差し不可能. 口腔周辺の原始反射残存. 誤嚥なし. 食事は離乳中期食を3回/日. 生後8か月から舌突出がみられ, 栄養摂取・体重増加不良. 医師より経鼻栄養検討の提案あり....
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2007, Vol.11 (3), p.383-384 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」当市では乳幼児を対象にした家庭訪問事業を実施している. 今回, 摂食・嚥下障害を呈する1歳3か月児に対する在宅指導の過程と保健師(以下PHN)・歯科衛生士(以下DH)の連携について報告する. 「対象」1歳3か月女児, 全前脳胞症. 身長70.3cm, 体重7,400g, カウプ指数14.97. 口蓋裂なし. 定頸やや不安定. 両親と他者で反応の違いあり. 著明な人見知りなし. 有意味語はなく, 声だしのレベル. 指差し不可能. 口腔周辺の原始反射残存. 誤嚥なし. 食事は離乳中期食を3回/日. 生後8か月から舌突出がみられ, 栄養摂取・体重増加不良. 医師より経鼻栄養検討の提案あり. 口腔外科外来による摂食訓練開始. 「指導経過」(1)母親より, 体重増加不良の心配を乳幼児健康相談で把握(2006年10月(1歳)). (2)生活に即した摂食指導のニーズ把握のためPHNが訪問評価(10月). (3)摂食指導(PHN・DH)-良肢位保持・歯ブラシでの舌尖への刺激・スプーンでの介助方法(12月). (4)再評価(1ヵ月後)後の指導-手づかみ食べに向けた工夫・中期食の維持・コップ飲みの方法. また, 母親の成長をあせる気持ちを受け止めた. 「結果(2007年1月)」(1)食事時, 舌突出減少. 上下唇を結ぶようになった. (2)食事時間が20分/回から10~15分/回に減少. (3)体重増加. カウプ指数がやせぎみから標準へ改善. (4)声をあげて笑うようになった. 食べこぼしが減ったとの母親の感想あり. 「考察」原始反射による開口・探索を誘発せずに捕食動作ができるよう良肢位保持, 舌の安静位を意識づけ, 目と手と口の協調した介助・指導を行った. 結果, 舌突出減少し, 上下唇を結ぶようになり捕食量が増えた. 生活状況に即した摂食指導を行ったことが, 母親の実践を確実にしたと考える. また, PHNとDHが連携し, 各々の専門性を発揮できたことが, 適切な育児支援につながったと考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |