II-P4-3 当院NSTにおける嚥下リハビリテーションの現状

「はじめに」入院患者は種々の疾病により, 長期間経口摂取を制限されることがあり, これによる嚥下機能の低下が問題となる. また経口摂取再開時の嚥下機能の不適切なアセスメントは, 誤嚥や嚥下性肺炎の原因となる. 当院ではリハビリテーション(リハ)部がNSTの活動に参加し, 嚥下機能評価などを行っている. 今回その具体的な活動と, 効果について報告する. 「活動内容」当院のNSTは, 多職種より構成されている. 依頼のあった症例を毎週回診し, 主治医や病棟看護師と共にカンファレンスを行っている. 理学療法士の関与は経口摂取開始時の嚥下機能評価が挙げられる. 具体的には, 経口摂取開始時に「むせ」な...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2007, Vol.11 (3), p.377-378
Hauptverfasser: 齋藤務, 西野仁, 三木仁美, 山岡恵梨子, 矢守麻奈, 福田寛二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」入院患者は種々の疾病により, 長期間経口摂取を制限されることがあり, これによる嚥下機能の低下が問題となる. また経口摂取再開時の嚥下機能の不適切なアセスメントは, 誤嚥や嚥下性肺炎の原因となる. 当院ではリハビリテーション(リハ)部がNSTの活動に参加し, 嚥下機能評価などを行っている. 今回その具体的な活動と, 効果について報告する. 「活動内容」当院のNSTは, 多職種より構成されている. 依頼のあった症例を毎週回診し, 主治医や病棟看護師と共にカンファレンスを行っている. 理学療法士の関与は経口摂取開始時の嚥下機能評価が挙げられる. 具体的には, 経口摂取開始時に「むせ」などによる誤嚥症状が認められた場合に, その原因の検討を行う. 必要な症例には, 嚥下リハを行うとともに, 代替栄養をNSTで検討する. 「効果」平成18年11月末から平成19年4月までに依頼されたNST対象患者57例中33例にリハの依頼を受けた. そのうちNST関与中に死亡した2例と現在も入院治療中の8例を除く23例の効果を判定した. ほぼ全例に非経口摂取期間(最長104日)があり, 経口摂取再開時の誤嚥症状により紹介を受けた. リハ介入により嚥下機能が改善し, 経口摂取可能となった症例は21例であり, その後嚥下性肺炎を呈する者はいなかった. 栄養状態の指標である血清アルブミン値は, 介入前が3.0±0.5g/dlであったが, 終了時には3.3±0.5g/dlと改善傾向にあった. NSTが関与した平均日数は20.3±11.7日である. これら23例の平均在院日数は73.7±46(22-180)日であり, 当院の平均在院日数を大きく上回っていた. 「まとめ」当院NSTの嚥下リハと栄養管理が必要な症例は, 長期間の治療が必要となる症例が多かった. 経口摂取制限時期の栄養管理と安全な経口摂取への移行を達成するためには, NSTとリハの関わりが重要であり, 早期介入することで在院日数の短縮が期待できる.
ISSN:1343-8441