I-2-15 より安全で確実な急性期の口腔ケアをめざして
「はじめに」急性期における口腔ケアは, 肺炎予防, 口腔・咽頭機能の廃用症候群予防, 脳の覚醒効果, 摂食嚥下の準備, 経口摂取のリスク軽減等多くの意味があり, 患者の転帰に極めて大きな影響を及ぼす重要なケアと考えられる. しかしながら, 特に意識障害のある患者に対して行う口腔ケアは, 熟練を要すると共に危険を伴う行為であり, 未だ確立された方法はないのが現状であろう. 我々は1年前から脳神経外科病棟を中心に, 摂食嚥下チームとして急性期の口腔ケアと摂食嚥下リハビリに取り組んでいる. 今回は口腔ケアの中でも器質的口腔ケアと言われている口腔内を清潔にする手技について, より安全確実に行う方法を紹...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2007, Vol.11 (3), p.228-228 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」急性期における口腔ケアは, 肺炎予防, 口腔・咽頭機能の廃用症候群予防, 脳の覚醒効果, 摂食嚥下の準備, 経口摂取のリスク軽減等多くの意味があり, 患者の転帰に極めて大きな影響を及ぼす重要なケアと考えられる. しかしながら, 特に意識障害のある患者に対して行う口腔ケアは, 熟練を要すると共に危険を伴う行為であり, 未だ確立された方法はないのが現状であろう. 我々は1年前から脳神経外科病棟を中心に, 摂食嚥下チームとして急性期の口腔ケアと摂食嚥下リハビリに取り組んでいる. 今回は口腔ケアの中でも器質的口腔ケアと言われている口腔内を清潔にする手技について, より安全確実に行う方法を紹介したい. 「口腔ケアの実際」意識障害のある患者に対して口腔ケアを行う場合に注意すべき点は, 以下の3点であると思われる. 1. 視野を確保する. 2. 誤嚥させない. 3. 短時間で確実に清掃する. 1. 視野を確保するためには, アングルワイダーの装着が効果的である. アングルワイダーの装着によって視野が大きく広がり, 見落としが生じやすい臼歯部頬側や口蓋部の汚染が確実に清掃可能となる. 2. 誤嚥をさせないためには, 吸引しながら清掃する必要があり, 吸引付きのスポンジブラシ(サクションスワブ)が有効である. また, 水分量を適正にコントロールするためには, スプレーの使用が効果的である. 3. 短時間で確実に清掃するためには, 電動ブラシ(回転式)の使用が有効である. 電動ブラシはブラシを正しく当てるだけでストロークする必要がないために, 多くの場合不十分な開口状態で暗く狭い口腔内においても, 歯垢を確実に除去できる. 特に, 普通の歯ブラシでは磨き残しが生じやすい歯頚部や歯間部の歯垢も比較的容易に除去可能である. さらに電動ブラシは舌や歯肉などのマッサージ効果が高く, 嚥下機能の改善や脳の覚醒効果も期待できるという利点を有する. |
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ISSN: | 1343-8441 |