(II-P5-10)舌苔の付着度は口腔機能を反映する
【目的】舌苔は微生物や食物残渣, 剥離上皮などを含んだ舌上に形成された苔状の付着物である. 唾液腺の機能状態や, 唾液の分泌量, 体調などの影響をうけるとされている. この付着は口臭の原因とされ, 近年, 誤嚥性肺炎との関係も報告されている. これまで, 舌苔付着の原因は口腔衛生習慣の悪化や全身状態に起因する口腔乾燥との関係が指摘されている. 一方, 口腔機能との関連は指摘されているものの具体的データに乏しい. そこで本研究では舌苔の付着度と口腔機能との関連を検討した. 【対象と方法】平成17年度に行った日本歯科医師会介護予防モデル事業に参加した通所介護施設を利用する軽度要介護高齢者44名(平...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】舌苔は微生物や食物残渣, 剥離上皮などを含んだ舌上に形成された苔状の付着物である. 唾液腺の機能状態や, 唾液の分泌量, 体調などの影響をうけるとされている. この付着は口臭の原因とされ, 近年, 誤嚥性肺炎との関係も報告されている. これまで, 舌苔付着の原因は口腔衛生習慣の悪化や全身状態に起因する口腔乾燥との関係が指摘されている. 一方, 口腔機能との関連は指摘されているものの具体的データに乏しい. そこで本研究では舌苔の付着度と口腔機能との関連を検討した. 【対象と方法】平成17年度に行った日本歯科医師会介護予防モデル事業に参加した通所介護施設を利用する軽度要介護高齢者44名(平均年齢80.7±7.8歳, 平均介護度1.29±0.6)である. 参加者の事前アセスメントとして, 歯科医師および歯科衛生士によって舌苔の付着度をScore0~3(なし~多量)に分類し評価した. さらに口腔機能として, RSST, ALNIC社製舌圧測定表示装置TPS-350を用い測定した舌圧, ロッテ社製咀嚼力判定ガムRを用いた咀嚼力, GC社製デンタルプレスケールRを用いた咬合力, /pa/, /ta/, /ka/を用いてOral diadochokinesisを評価し, さらに, 日常の口腔清掃の回数を聞き取りにて聴取し, 舌苔の付着度と比較検討した. 【結果と考察】舌苔の付着度がScore0なし, Score1少量, Score2中程度, Score3多量であった者の, 舌圧はそれぞれ42.3kPa, 40.4kPa, 39.7kPa, 21.0kPaで, /ka/を用いたOral diadochokinesisは5.9回数/秒, 4.4回数/秒, 3.8回数/秒, 3.5回数/秒であった. それぞれ, 舌苔の付着度と有意な関係を示した. 口腔清掃の回数とは関連を示さなかった. 舌苔の付着度と舌の運動との関連が推察された. |
---|---|
ISSN: | 1343-8441 |