(II-P5-7)凍結含浸法を用いた新規嚥下造影検査食の開発
【目的】演者らは, 食材を凍結後, 減圧下で組織内部に組織崩壊酵素を含浸すること(凍結減圧酵素含浸法, 以下凍結含浸法と略す)により, 食材の形状を保持したまま任意の硬さに調節する技術を確立した1),2). 本法は, 食材の形状や栄養成分を損うことなく, 咀嚼・嚥下困難者に適した硬さの食品を提供することが可能である. 今回, 酵素, 調味液に加えVF検査用造影剤を同時にしかも短時間に組織内部に導入する技術について検討した. 本技術の開発により, 通常摂取している硬さの食材や軟化させ形状を保持した状態の食材で, 咀嚼状態や嚥下機能を評価できる新しい検査食の開発が可能となる. 【方法】食材として,...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的】演者らは, 食材を凍結後, 減圧下で組織内部に組織崩壊酵素を含浸すること(凍結減圧酵素含浸法, 以下凍結含浸法と略す)により, 食材の形状を保持したまま任意の硬さに調節する技術を確立した1),2). 本法は, 食材の形状や栄養成分を損うことなく, 咀嚼・嚥下困難者に適した硬さの食品を提供することが可能である. 今回, 酵素, 調味液に加えVF検査用造影剤を同時にしかも短時間に組織内部に導入する技術について検討した. 本技術の開発により, 通常摂取している硬さの食材や軟化させ形状を保持した状態の食材で, 咀嚼状態や嚥下機能を評価できる新しい検査食の開発が可能となる. 【方法】食材として, 比較的硬い素材であるレンコン, タケノコを用いた. ひと口サイズにカットした後, -15℃以下で凍結し, 解凍した. 酵素液(ヘミセルラーゼ製剤)と造影剤(オイパロミン300)を含有させた緩衝液に浸漬した状態で5分間減圧を行った後, 50℃で所定時間放置した. 殺菌を目的に真空包装後加圧加熱処理を行い試料を調製した. 得られた試料について, 硬さ及び造影剤の分布状態を確認するためX線分析顕微鏡(堀場製作所製)を用いて, ヨウ素をターゲットとした蛍光X線元素分析及びX線透過解析を行った. 【結果】造影剤を酵素と同時に含浸することで造影剤を均一に含有させた嚥下造影検査食を調製することができた. 酵素を添加せず, 造影剤単独で含浸した場合でも造影剤を組織内部に均一に分布させることは可能であった. これらの結果, 凍結含浸法を適用することによって, 従来の流動状あるいはゼリー状の検査食に代わる新しい嚥下造影検査食を製造することが可能であることが示唆された. 1)坂本宏司ら:食科工, 51, 395-400(2004). 2)Sakamoto et sl., Biosci. Biotechnol. Biochem., 70, 1564-1570(2006). |
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ISSN: | 1343-8441 |