(II-P5-3)簡易粘度計を用いた市販各種トロミ調整食品の粘性の比較

【目的】近年, トロミ調整食品の開発が進み, 市販されている食品は, 20種類以上に及んでいる. しかし, 施設などでは対象者の摂食・嚥下機能に適応しているか判断されることなく1~2種類の限られたトロミ調整食品が使われ, 場合によっては障害を増悪させる原因になっていることも散見される. このような問題を改善する上では, 機能障害の評価のみならず, トロミ調整食品の物性を十分に把握し, 対象者の摂食・嚥下障害に応じたトロミ調整食品を選択することが重要であると考えられる. 今回, 簡易粘度計(明治乳業(株)製作)を用いて, 1)市販されている10種類のトロミ調整食品の粘性を比較検討し, 2)官能評...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 畦西克己, 舘村卓, 外山義雄
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】近年, トロミ調整食品の開発が進み, 市販されている食品は, 20種類以上に及んでいる. しかし, 施設などでは対象者の摂食・嚥下機能に適応しているか判断されることなく1~2種類の限られたトロミ調整食品が使われ, 場合によっては障害を増悪させる原因になっていることも散見される. このような問題を改善する上では, 機能障害の評価のみならず, トロミ調整食品の物性を十分に把握し, 対象者の摂食・嚥下障害に応じたトロミ調整食品を選択することが重要であると考えられる. 今回, 簡易粘度計(明治乳業(株)製作)を用いて, 1)市販されている10種類のトロミ調整食品の粘性を比較検討し, 2)官能評価から飲み込み特性について検討したので報告する. 【方法】試料は各製品の説明書の指示の中で, 最も低粘性になるとされている濃度(ポタージュ状)に溶解した. 主原料がキサンタンガムである10種類のトロミ調整食品を用いて調整した試料の粘性の比較検討を行った. 粘性は, 簡易粘度計(明治乳業(株)製作)を用い, 15分, 30分, 60分後に試料中を樹脂棒が落下する時間を計測した. 次に, 対象を健常者とし, 官能評価を行った. 粘性比較した試料の中から, 粘性が異なる5種類のサンプルを添加し, ほうじ茶を調整した. 【結果】1. 各製品パンフレットの指示にある濃度で比較したが, 粘性には著しい差があることが確認された. 2. 官能評価から, 粘性が低いほど「飲み込みやすい」, 「舌触りがなめらか」, 「べたつき感が少ない」, 「口中の残留感が少ない」, 「風味がよい」という結果を示し, 好ましい粘性であると考えられた. 【考察】トロミ調整食品の使用には, 主原料による分類に従うだけでなく, 同じ主原料を用いている場合でも, 製品ごとの物性の比較に基づく必要がある. 今後, 対象者の摂食・嚥下機能状態とトロミ調整食品の物性との関係を検討し, 最適なトロミ調整食品を提供する規準を構築することが望まれる.
ISSN:1343-8441