(II-P4-16)当院を退院した摂食・嚥下障害患者に関する追跡調査:第2報

【目的】大学病院, 特定機能病院である当院では入院期間短縮のインセンティブが強くはたらいており, 摂食・嚥下障害患者についても対応が不十分なまま退院している例が少なくないことが危惧される. 当院を退院した患者の食事に関する状況や問題点を明らかにするため, アンケート調査を行った. 【方法】平成16年6月1日~平成17年5月31日までの1年間に当院に入院し, 摂食・嚥下に関する問題でリハビリテーション科に依頼され, 言語聴覚士による評価および訓練を受けた患者に対し, 自宅に退院した患者には退院後2ヶ月経過時, 自宅以外に退院した患者には4ヶ月経過時にアンケートを送付した. なお, アンケートの送...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2006, Vol.10 (3), p.473-474
Hauptverfasser: 渡名喜良明, 花山耕三, 竹本喜一, 遠藤由紀子, 松岡恵, 石田暉, 徳丸季聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】大学病院, 特定機能病院である当院では入院期間短縮のインセンティブが強くはたらいており, 摂食・嚥下障害患者についても対応が不十分なまま退院している例が少なくないことが危惧される. 当院を退院した患者の食事に関する状況や問題点を明らかにするため, アンケート調査を行った. 【方法】平成16年6月1日~平成17年5月31日までの1年間に当院に入院し, 摂食・嚥下に関する問題でリハビリテーション科に依頼され, 言語聴覚士による評価および訓練を受けた患者に対し, 自宅に退院した患者には退院後2ヶ月経過時, 自宅以外に退院した患者には4ヶ月経過時にアンケートを送付した. なお, アンケートの送付は平成17年12月までとした. 回答は患者本人でも家族でも可とした. 診療録の調査により得られた情報とアンケートの結果をあわせて検討した. 【結果】送付されたアンケート245通のうち, 回答が得られたのは130通(53%)であった. 130例のうち, 自宅退院は41例, 転院や施設入所は89例であり, そのうちリハビリテーション専門病院・病棟への転院は21例であった. 自宅退院例のうち回答時も在宅であったのは35例, 転院例のうち回答時在宅であったのは27例であった. 自宅で経口摂取していた49例について検討したところ, 「よくむせる」「ときどき熱を出す」との回答が8例に認められた. 全例が入院中に指導された事項に留意しているとしていたが, 3例は摂食・嚥下についての相談者はいないと答えていた. 【考察】当院を退院した患者は必ずしも当院外来に通院していないが, アンケートでみる限り, 不十分な体制で危険な徴候を示している例が認められた. 今後, 入院中のアプローチ, 指導を充実させるとともに退院後の診療体制も考慮することが必要と思われた.
ISSN:1343-8441