(II-P2-11)増粘/固形化した濃厚流動食の人工胃液,人工腸液中の挙動

【目的】濃厚流動食の胃食道逆流防止のために, 流動食を増粘させたり固形化させる方法がとられている. それらが胃内で胃酸によりどの様な形態をとるのか, 人工胃液を用いて粘度や形状の違いによる影響をin vitroで調べた. 併せて腸内での形態も人工腸液を用いて検討した. 【方法】増粘補助食品トロミアップA, 固形化補助食品リフラノン, 寒天(分子量30万~40万)を用い, 濃度を変え濃厚流動食を数段階に増粘もしくは固形化させ, 50mlをシリンジより20Frのチューブを通じ50mlの37℃人工胃液中に押し出し, 10分静置後ゆるやかに30秒振騰し状態を観察した. その後18メッシュの篩に通し,...

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Hauptverfasser: 西本純, 石原愛弓
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】濃厚流動食の胃食道逆流防止のために, 流動食を増粘させたり固形化させる方法がとられている. それらが胃内で胃酸によりどの様な形態をとるのか, 人工胃液を用いて粘度や形状の違いによる影響をin vitroで調べた. 併せて腸内での形態も人工腸液を用いて検討した. 【方法】増粘補助食品トロミアップA, 固形化補助食品リフラノン, 寒天(分子量30万~40万)を用い, 濃度を変え濃厚流動食を数段階に増粘もしくは固形化させ, 50mlをシリンジより20Frのチューブを通じ50mlの37℃人工胃液中に押し出し, 10分静置後ゆるやかに30秒振騰し状態を観察した. その後18メッシュの篩に通し, 残ったものと通過したものを観察した. また, リフラノン, 寒天で固形化したものについては, 人工腸液中で60分振騰し状態を観察した. 【結果】濃厚流動食のみを人工胃液に入れると液は濁り, 篩上にはカッテージチーズ状のものが残り, かなりのものが通過した. トロミアップAで増粘したものでは, 振騰後の流動食の広がりは粘度が高いほど小さかったが, 粘度が低くても高くても液は濁り, 篩上にはペースト状のものが残った. リフラノンでポタージュ状の1000mPa・s以上に増粘したものでは, 液は透明で, 流動食の表面に膜ができ塊りになった. 寒天で固形化したものは, 弱いゲルでも硬いゲルでも液は濁り, 粒状のものが集まった状態になった. 人工腸液での状態は, リフラノンで固形化したものは人工腸液中で直ぐに溶け, 寒天で固形化したものは60分でも溶けなかった. 【考察】濃厚流動食を増粘/固形化して, ある程度以上の粘度になれば, 胃酸中で塊りになり, 移動しにくくなるかもしれない. しかしその塊りの形状は増粘/固形化補助食品の種類によって異なるので, 挙動は異なる可能性がある. また, 人工腸液での溶解性は, 体内での消化吸収に関連する可能性がある. 今後さらなる条件を変えた挙動と, 臨床上との関連が求められる.
ISSN:1343-8441