(II-6-1)不顕性誤嚥を含めた誤嚥のスクリーニングテスト

【目的】現在, 摂食・嚥下障害の評価法ではビデオレントゲン造影(Videofluorography, 以下VF)がgold standardとして広く認知されているが, 実際にはVFに必要な設備を持たない施設が多く, ベッドサイドで簡単に行うことのできるスクリーニングテストを求める声が高かった. それに対して, 改訂水飲みテスト, 食物テスト, 反復唾液嚥下テストなどを用いたスクリーニングテストが考案されたが, 不顕性誤嚥(Silent Aspiration, 以下SA)を検知することは難しかった. 今回, 過去に報告されているクエン酸による咳テストを用いた不顕性誤嚥のスクリーニングの有用性を...

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Hauptverfasser: 若杉葉子, 戸原玄, 服部史子, 中根綾子, 大内ゆかり, 三串伸哉, 植松宏
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】現在, 摂食・嚥下障害の評価法ではビデオレントゲン造影(Videofluorography, 以下VF)がgold standardとして広く認知されているが, 実際にはVFに必要な設備を持たない施設が多く, ベッドサイドで簡単に行うことのできるスクリーニングテストを求める声が高かった. それに対して, 改訂水飲みテスト, 食物テスト, 反復唾液嚥下テストなどを用いたスクリーニングテストが考案されたが, 不顕性誤嚥(Silent Aspiration, 以下SA)を検知することは難しかった. 今回, 過去に報告されているクエン酸による咳テストを用いた不顕性誤嚥のスクリーニングの有用性を検討し, その他のスクリーニングテストと組み合わせることにより, SAの検出も含めた方法を検討したのでここに報告する. 【方法】何らかの摂食・嚥下障害が疑われ, VFもしくは嚥下内視鏡検査(Videoendoscopic Evaluation, 以下VE)を施行した者を対象とした. 超音波ネブライザと1%クエン酸水溶液を使用し, 咳テストを行った. 対象にクエン酸水溶液を1分間吸入させ, 咳反応の有無を調べた. 1分間で5回以上咳が出れば陽性とし, 5回以下であれば陰性とした. その他, 改訂水飲みテストを行った. 全例にVFまたはVEを施行し, その結果と比較した. 【結果】超音波ネブライザを用いた咳テストは, SAスクリーニングテストとして良好な感度, 特異度を得ることができた. また, 改訂水飲みテストと組み合わせることにより, より良好な感度, 特異度を得ることができた. 【考察】1%クエン酸水溶液による咳テストはSAのスクリーニングに有用であることが示唆された. また, 誤嚥のスクリーニングテストと組み合わせることで, 有用性の高いスクリーニングシステムが確立されるものと考えられた.
ISSN:1343-8441