(I-P5-12)2歳6ヶ月時に痙攣重積を発症した女児の摂食・嚥下指導の経過
【目的】会話や歩行, 食事ができていた児が疾患等により中途に障害を受ける場合がある. 今回, 痙攣重積後遺症の小児の症例を経験したので報告する. 【症例及び療育経過】3歳8ヶ月の女児. 1歳7ヶ月時に「自力で歩かない. 語彙が少ない. 」を主訴に来所. 保護者と同じ食物を摂取. 理学療法, 作業療法及び通園グループによる療育を開始. 歩行可能となり保育所へ通所予定であった. 2歳6ヶ月時に熱性痙攣重積を発症. ICUに1ヶ月入室後, 一般病棟では経鼻胃管で栄養摂取, 理学療法等開始. 発症から約10週間後, 寝返り可, 経鼻胃管栄養と経口(ペースト状)を併用にて退院. 2ヵ月後には「早く元の姿...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2006, Vol.10 (3), p.383-383 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】会話や歩行, 食事ができていた児が疾患等により中途に障害を受ける場合がある. 今回, 痙攣重積後遺症の小児の症例を経験したので報告する. 【症例及び療育経過】3歳8ヶ月の女児. 1歳7ヶ月時に「自力で歩かない. 語彙が少ない. 」を主訴に来所. 保護者と同じ食物を摂取. 理学療法, 作業療法及び通園グループによる療育を開始. 歩行可能となり保育所へ通所予定であった. 2歳6ヶ月時に熱性痙攣重積を発症. ICUに1ヶ月入室後, 一般病棟では経鼻胃管で栄養摂取, 理学療法等開始. 発症から約10週間後, 寝返り可, 経鼻胃管栄養と経口(ペースト状)を併用にて退院. 2ヵ月後には「早く元の姿に戻って欲しい. 」と保護者の判断で経鼻胃管栄養を中止した. 【摂食機能評価】退院1ヶ月後から当所での療育を再開. 再開時の摂食評価は, むせ等は無いが, 食塊形成や咀嚼の動きは不十分な状態であった. 発症5ヶ月時に当所嘱託歯科医師の勤務する医療機関で嚥下造影検査を実施. 誤嚥は認められなかった. 【結果】個別療法や通園グループでの給食前に舌訓練を行い, 食形態や介助方法を考慮しながら摂食・嚥下指導を実施した. 身体機能, 特に運動機能の回復と平行して, 摂食機能の回復も顕著であった. 一口量や食べる速度を配慮した介助食であれば, 口唇での捕食や臼歯での咀嚼運動も良好となり, 食形態も発症前同様の幼児食に戻った. 本児自身での手づかみ食べもみられるようになった. 【考察】保護者は「早く歩いて欲しい. 話して欲しい. 」と発症前の姿に戻ることを切望するが, 中途障害の回復は, 個人差が非常に大きい. 本症例の現状の発達評価は, 1歳段階に達しておらず, 言語表出は単語数個のみ. 児自身での食具の使用や一口量の調整等を行うには, 知的発達が不可欠である. 個別療法と通園グループでの生活場面での療育を組み合わせ, 発達全般の回復を促しながら, 今後も継続して摂食・嚥下指導を行っていく必要がある. |
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ISSN: | 1343-8441 |