(I-P4-6)嚥下障害患者の口腔内機能の現状と口腔ケアの指導の検討

【はじめに】在宅療養者は加齢や疾病などにより口腔ケアに介助を要する場合がある. しかし, 口腔ケアへの必要性の認識不足や介護力不足により十分な口腔ケアが行えていないと言われている. 本年4月の介護保険改正では口腔機能向上に関する項目も新設され, 在宅での口腔ケアが充実すると考えられる. 今回, 当科嚥下障害患者の口腔内機能について評価・検討したので若干の考察を加え報告する. 【対象と方法】当科入院中及び外来患者で嚥下障害又はその疑いがあり, 口腔ケアに介助を要する者14名を対象とした. 約1ヶ月間, 入院患者8名には看護師が口腔ケアを実施, 外来患者6名には家族に口腔ケアの指導を行い自宅で実施...

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Hauptverfasser: 山崎美岐, 清水登紀子, 中尾人美, 林喜子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【はじめに】在宅療養者は加齢や疾病などにより口腔ケアに介助を要する場合がある. しかし, 口腔ケアへの必要性の認識不足や介護力不足により十分な口腔ケアが行えていないと言われている. 本年4月の介護保険改正では口腔機能向上に関する項目も新設され, 在宅での口腔ケアが充実すると考えられる. 今回, 当科嚥下障害患者の口腔内機能について評価・検討したので若干の考察を加え報告する. 【対象と方法】当科入院中及び外来患者で嚥下障害又はその疑いがあり, 口腔ケアに介助を要する者14名を対象とした. 約1ヶ月間, 入院患者8名には看護師が口腔ケアを実施, 外来患者6名には家族に口腔ケアの指導を行い自宅で実施した. 実施前後で口腔内機能を迫田式口腔アセスメントシート改変版で比較した. 外来患者・家族には口腔ケア施行の感想を聞き取り調査した. 【結果】実施前後で有意な変化がみられた項目は, 入院では「歯の汚れ」のみであった. 外来では有意な変化がみられず, 6名中3名が指導通り実施できていなかった. 理由として介護者の負担や本人の拒否があった. 口腔ケアの重要性や指導の継続に関しては全員が必要性を感じていた. 【考察】入院で「歯の汚れ」が改善したのは, 看護師に視覚的に分かりやすかったためと考える. 他項目の改善が見られなかったのは, 入院では定期的な評価や統一した看護ができていなかったためと考える. 外来では指導により口腔ケアの必要性を認識していたが, 介護力不足等により十分に実施できなかったためと考える. 【まとめ】看護師の更なる口腔ケアへの意識向上や技術の習得を図っていく. また口腔内アセスメント表の利用改善を図り, 定期的な口腔機能の評価を行っていく. 更に入院中から患者・家族への指導を強化すると共に, 外来での指導方法の再検討や介護保険利用での口腔ケア施行等, 入院中から在宅までの一貫した口腔機能の維持向上が行える方法を考える必要がある.
ISSN:1343-8441