(I-P3-22)脊髄小脳変性症における嚥下障害の検討(2)
【背景】背髄小脳変性症において嚥下機能障害が運動機能障害と同様に徐々に進行することがしばしば経験される. また, 嚥下障害が強い症例はオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)など脳幹の萎縮を伴う疾患群に多い印象を持つが, 画像的特徴と嚥下機能を検討した報告は少ない. 【目的】脊髄小脳変性症における嚥下障害を評価し, 画像との関連性を検討した. 【対象】2004年6月から2006年5月までに当科に入院した脊髄小脳変性症患者のうち, 嚥下障害を疑わせる症例21例(男性14例, 女性7例, 平均年齢62歳)を対象とした. 【方法】前報告と同様に21症例中, のべ20症例に嚥下造影検査(VF)を施行し, のべ...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【背景】背髄小脳変性症において嚥下機能障害が運動機能障害と同様に徐々に進行することがしばしば経験される. また, 嚥下障害が強い症例はオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)など脳幹の萎縮を伴う疾患群に多い印象を持つが, 画像的特徴と嚥下機能を検討した報告は少ない. 【目的】脊髄小脳変性症における嚥下障害を評価し, 画像との関連性を検討した. 【対象】2004年6月から2006年5月までに当科に入院した脊髄小脳変性症患者のうち, 嚥下障害を疑わせる症例21例(男性14例, 女性7例, 平均年齢62歳)を対象とした. 【方法】前報告と同様に21症例中, のべ20症例に嚥下造影検査(VF)を施行し, のべ5症例にビデオ内視鏡検査(VE)を施行した. 全症例のVF, VEにおける誤嚥の有無, 喉頭蓋谷への残留の有無, 梨状窩への残留の有無, ゼリーおよびとろみ水の咽頭期移行時間(喉頭蓋谷に食塊がきてから, 嚥下反射が起きるまでの時間), 検査時の当院で用いている評価表による素点と頭部MRIにおける橋面積, 第4脳室面積, 橋横径, 橋前後径を検討項目とした. 【結果】橋面積の平均は494.6mm2, 第4脳室面積の平均は270.8mm2, 橋横径の平均は25.7mm, 橋前後径の平均は18.7mmであった. VF, VEにおけるゼリーおよびとろみ水の咽頭期移行時間の延長と橋面積, 橋横径, 橋前後径は正の相関を認めた. 小脳虫部の萎縮を反映していると考えられる第4脳室面積とは相関は認められなかった. 【結語】脊髄小脳変性症において橋面積, 橋横径, 橋前後径を測定することにより, 嚥下機能を予測することが可能であると考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |