(I-P2-3)術後の多職種チームアプローチにより経口摂取に移行できた下顎骨肉腫切除再建術後の1症例

【はじめに】他院での左下顎骨肉腫術後再発例に対して当院で拡大根治術を行なった, 多職種チームアプローチによりING(間欠的経鼻胃経管栄養法)を離脱でき, 全面的に経口摂取に移行できた症例を報告する. 【症例】60歳女性. 2004年12月他院で下顎辺縁切除, 遊離腸骨皮弁移植後の局所再発にて, 当院2005年8月初診. 術前説明で, 再手術後は重度の咀嚼, 嚥下障害をきたす可能性があることに患者は承諾され, 2005年9月, 両下顎骨頭のみを残した下顎亜全摘, 右頸部郭清, チタンプレート+腹直筋皮弁再建術を施行した. 可動部舌, 両側舌下神経はかろうじて保存された. 【経過】術後9日目にVF...

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Hauptverfasser: 山下亜依子, 妻木浩美, 田沼明, 中川雅裕, 安藤牧子, 鬼塚哲郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】他院での左下顎骨肉腫術後再発例に対して当院で拡大根治術を行なった, 多職種チームアプローチによりING(間欠的経鼻胃経管栄養法)を離脱でき, 全面的に経口摂取に移行できた症例を報告する. 【症例】60歳女性. 2004年12月他院で下顎辺縁切除, 遊離腸骨皮弁移植後の局所再発にて, 当院2005年8月初診. 術前説明で, 再手術後は重度の咀嚼, 嚥下障害をきたす可能性があることに患者は承諾され, 2005年9月, 両下顎骨頭のみを残した下顎亜全摘, 右頸部郭清, チタンプレート+腹直筋皮弁再建術を施行した. 可動部舌, 両側舌下神経はかろうじて保存された. 【経過】術後9日目にVF検査後, 術後10日目より経管栄養を併用しながらゼリー食を開始した. 術後15日目よりINGを導入し, その後, ST指示の下, 全粥ゼリー1品を付加した. しかし, 嚥下が上手くいかず, 三分粥ゼリーに変更し, 摂取可能となるが, 経口量はなかなか増えていかなかった. 栄養士による訪室時に摂取状況について尋ねたところ, 食前のINGが満腹感を生み経口摂取低下につながるとの訴え聞かれたため, 経口摂取を先に行い, INGは食事摂取後, 時間を置いて行なうことで経口摂取量が上がっていった. その後術後21日目より嚥下食1200kcalに食事形態が上がり, INGからのエンシュアを減量した. 術後25日目からはINGより離脱しエンシュアを経口から摂取することができ, 体重減少もほぼなく栄養量を満たすことができた. 嚥下食については退院前に栄養指導を行うことで, 不安なく術後32日目に退院することができた. 【考察】様々な職種が患者の状況に適した専門性を発揮しアプローチを行なうことは, 誤嚥リスクを伴った患者に安全で的確な経口摂取を進めていく上で有用であると考えられる.
ISSN:1343-8441