(I-3-13)乳児へのK-point刺激による反応の変化-他の部位との比較をとおして
【目的】我々は仮性球麻痺患者におけるK-point刺激の反応を, 脳幹系システムの反射回路で行われた異常反射と考え, 乳児で同様の反応を見いだしたと報告した. これが原始反射であることを明らかにする目的で, 経時的に反応を追跡した. さらに「咀嚼様運動」と同義と思われるphasic bite reflexの誘発部位とK-pointを比較する目的で, K-pointと歯肉を刺激し, 反応の差を比較した. 【対象と方法】十分説明をし, 親の同意を得られた乳児4名に対し, 生後2日目から7ヶ月までの毎月1回, 滅菌済み乳児用綿棒で両側K-pointと歯肉を刺激し, 反応をDVビデオに録画した. 成人...
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Zusammenfassung: | 【目的】我々は仮性球麻痺患者におけるK-point刺激の反応を, 脳幹系システムの反射回路で行われた異常反射と考え, 乳児で同様の反応を見いだしたと報告した. これが原始反射であることを明らかにする目的で, 経時的に反応を追跡した. さらに「咀嚼様運動」と同義と思われるphasic bite reflexの誘発部位とK-pointを比較する目的で, K-pointと歯肉を刺激し, 反応の差を比較した. 【対象と方法】十分説明をし, 親の同意を得られた乳児4名に対し, 生後2日目から7ヶ月までの毎月1回, 滅菌済み乳児用綿棒で両側K-pointと歯肉を刺激し, 反応をDVビデオに録画した. 成人のK-point刺激では開口反射と咀嚼様運動, 嚥下反射が見られるが, 乳児では判定が困難なため咀嚼様運動のみを3人の検者で分析した. 【結果】部位の比較では, K-point刺激時の方が咀嚼様運動の回数が多く, 動きも大きかった. K-point刺激時の反応は7ヶ月頃に消失し, 歯肉刺激時の反応は5ヶ月頃消失した. また綿棒を挿入すると4ヶ月頃から舌で押し出そうとする随意運動が現れ, 7ヶ月近くになると舌の側方への動きで歯槽堤に運び, 連続して咬むという咀嚼運動に移行した. 【考察】誘発された咀嚼様運動は7ヶ月頃に消失したことから原始反射であると思われた. 成人におけるK-point刺激の反応も異常反射であることが強く示唆された. K-point刺激による咀噛様運動とphasic bite reflexは下顎のリズミカルな開閉運動という点で, 同じものである可能性があるが, K-point刺激によって誘発される咀嚼様運動は, 開口に続いて起こる点でbite reflexとは異なり, 生下時にすでに組み込まれている反射である. 歯肉とK-pointの比較で, K-point刺激時の方が, 反応が確実で, 咀嚼様運動の回数も動きも大きかったことより, K-pointは反応を, より誘発しやすい部位であると考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |