II-5-4 急性期病院を退院,転院した摂食・嚥下障害患者の在宅での経口摂取の状態と対応
【目的】東海大学医学部付属病院(以下当院)で, 各々の疾患により, 摂食, 嚥下障害を呈し, 言語聴覚士(以下ST)が評価, 訓練を行った後に退院, 転院した患者の在宅での(I)摂食, 嚥下の状態(II)摂食, 嚥下への対応をアンケート調査により, 実態を知ることを目的とした. 【対象と方法】平成16年6月1日~11月30日までに当院に入院し, STによる評価, 訓練を受け, 退院, 転院した摂食, 嚥下障害患者85名に対し, アンケート調査を行った. 分析対象は, 回答者46名(回収率54.1%)の内, 在宅で経口摂取を行っていた31名(男性20名, 女性11名), 平均年齢は66.4歳であ...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.381-381 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】東海大学医学部付属病院(以下当院)で, 各々の疾患により, 摂食, 嚥下障害を呈し, 言語聴覚士(以下ST)が評価, 訓練を行った後に退院, 転院した患者の在宅での(I)摂食, 嚥下の状態(II)摂食, 嚥下への対応をアンケート調査により, 実態を知ることを目的とした. 【対象と方法】平成16年6月1日~11月30日までに当院に入院し, STによる評価, 訓練を受け, 退院, 転院した摂食, 嚥下障害患者85名に対し, アンケート調査を行った. 分析対象は, 回答者46名(回収率54.1%)の内, 在宅で経口摂取を行っていた31名(男性20名, 女性11名), 平均年齢は66.4歳であった. 方法は, (I)摂食, 嚥下状態に関する質問(11項目)を(よくある, 時々ある, なし)の3項目選択式とし, (II)摂食, 嚥下への対応に関する質問(7項目)を複数回答にした内容のアンケートを当院退院後2ヵ月後, 転院4ヵ月後に郵送した. 【結果】アンケート調査の結果, 摂食, 嚥下の状態では, 口に入れた物がこぼれる(38.7%), 口の中に食べ物が残る(38.7%)といった口腔期の問題と, 固形物でむせる(35.5%), 水分でむせる(32.3%)といった咽頭期の問題の回答が多かった. また, 在宅での摂食, 嚥下障害への対応としては, STが一口量を指導した25名の内, 回答時実践していた患者は10名(40%), 同様にペース配分を指導した23名の内, 実践していた患者は13名(56.5%)であった. さらに, STがトロミ剤の使用を指導した8名の内, 実践していた患者は1名(12.5%)であった. 【考察】当院を退院, 転院した患者に, STが指導した内容が在宅での経口摂取に十分に反映されていなかった. さらに, 在宅で誤嚥の可能性のある中で, 嚥下の方法やトロミ剤の使用が少なかった点を考慮すると, 今後在宅での経口摂取に有効な情報提供の仕方, 指導内容の徹底を図る必要が考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |