II-4-1 咳嗽訓練と呼気筋トレーニングの効果:メタ分析

【目的】咳嗽訓練と呼気筋トレーニングの効果をメタ分析によって明らかにし, 呼気筋トレーニングによる咳嗽機能強化の可能性を考察することである. 【方法】論文の選択基準は咳嗽訓練-咳嗽群VS対照群, Forced expiration technique(FET)群VS咳嗽群-と呼気筋トレーニングのランダム化比較試験である. 利用したデータベースはEBMR, CINAHL, PEDro, MEDLINE, 医中誌Webである. 論文の質について複数人で独立して評価し, その一致の程度を重み付けκ係数で求めた. メタ分析はまず論文の均一性の検定をp>0.10で行い, 次にEffect Size...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.372-373
Hauptverfasser: 小島肇, 鈴木和子, 村田千年, 東久美子, 田口雅子, 金子美恵, 武田円, 伊藤弥生, 吉田弥央, 木村雅彦, 山田拓実
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】咳嗽訓練と呼気筋トレーニングの効果をメタ分析によって明らかにし, 呼気筋トレーニングによる咳嗽機能強化の可能性を考察することである. 【方法】論文の選択基準は咳嗽訓練-咳嗽群VS対照群, Forced expiration technique(FET)群VS咳嗽群-と呼気筋トレーニングのランダム化比較試験である. 利用したデータベースはEBMR, CINAHL, PEDro, MEDLINE, 医中誌Webである. 論文の質について複数人で独立して評価し, その一致の程度を重み付けκ係数で求めた. メタ分析はまず論文の均一性の検定をp>0.10で行い, 次にEffect Sizes(EF)をランダム効果モデルにて95%信頼区間(95%CI)で求めた. 【結果】選択した論文は咳嗽に関する6件, 呼気筋トレーニングに関する4件, 計10件であった. 重み付けκ係数は0.27-1.00であった. 咳嗽群は対照群と比べ有意に喀痰量が増加した(EF=3.07;95CI, 0.06to6.09)が, 放射性エアロゾル喀出率では差がなかった(EF=4.15;95%CI, -0.67to8.98). FET群は咳嗽群に比較して喀痰量では有意に増加(EF=2.01;95%CI, 1.06to2.96)したが, 放射性エアロゾル喀出率では差がなかった(EF=-0.34;95%CI, -0.88to0.21). 閾値負荷法による呼気筋トレーニングは有意に呼気筋力を増強した(EF=1.38;95%CI, 0.74to2.02). 咳嗽力をアウトカムにした呼気筋トレーニングに関する論文はなかった. 【考察】咳嗽群, FET群とも喀痰効果を認めたが, 放射性エアロゾル喀出率では有意な効果を認めず, 測定方法により一貫性がなかった. また, 呼気筋トレーニングは呼気筋力を増強することが確認できた. 閾値負荷法は筋収縮速度を向上させるといわれ, 咳嗽力を強化することが期待できる.
ISSN:1343-8441