I-P4-9 間接的嚥下訓練にペットボトルを利用して~ペットボトルエクササイズ
【目的】嚥下障害患者への間接的嚥下訓練は訓練の基礎であり, 安全性は高いが, これのみですぐにたべることにつながらない. そのため患者の理解が得られにくい事がある. 今回, ワレンベルグ症候群患者で嚥下障害があり, 完全な閉口がしにくく, 間接的嚥下訓練時の負荷の加減が分らない等の訴えがあり, 検討の結果, 間接的嚥下訓練を空きペットボトル容器を用いて行った症例を経験したので報告する. 【対象と方法】患者紹介 61歳男性 左延髄外側脳梗塞 右半身(上肢)知覚障害, 失調症状, 唾液嚥下不可, 発症後6日目に転院される. 間接的嚥下訓練に対して「どのくらいしたらよいのか? これで効果があるのか?...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.347-348 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】嚥下障害患者への間接的嚥下訓練は訓練の基礎であり, 安全性は高いが, これのみですぐにたべることにつながらない. そのため患者の理解が得られにくい事がある. 今回, ワレンベルグ症候群患者で嚥下障害があり, 完全な閉口がしにくく, 間接的嚥下訓練時の負荷の加減が分らない等の訴えがあり, 検討の結果, 間接的嚥下訓練を空きペットボトル容器を用いて行った症例を経験したので報告する. 【対象と方法】患者紹介 61歳男性 左延髄外側脳梗塞 右半身(上肢)知覚障害, 失調症状, 唾液嚥下不可, 発症後6日目に転院される. 間接的嚥下訓練に対して「どのくらいしたらよいのか? これで効果があるのか?」の訴えあり ペットボトルを用いて, 体幹のリラックス訓練, 吹き込み吸い込み訓練, 舌の運動訓練を開始する. 【経過】1日目 嚥下訓練開始 2日目 VFにて喉頭挙上困難, 食道への送り込み困難, 咽頭残留あり 3日目 VF結果より喉頭挙上困難にメンデルゾーン手法を追加ペットボトル開始 5日目 ベットアップ30°頸部左回旋にてゼリー開始 複数回嚥下にて毎食ゼリーで唾液の飲み込み可能 7日目 VF喉頭挙上改善 食道入口部へ食塊通過あり 左回旋にて残留を嚥下可能, 座位でミキサー食摂取となる. 摂取すすまずゼリーとの交互嚥下 複数回嚥下, 空嚥下にて摂取 14日目 VF座位にて嚥下可能 全粥3分菜 水分可能となる その後20日目に退院となる. 【考察】間接的嚥下訓練はそれのみで食べることにつながらない事や, 通常, 鏡を用いて行うが麻痺や機能低下から運動負荷がかけにくく, 自分の容姿変化にリハビリテーションへの意欲をなくすこともある. 今回ワレンベルグ症候群で嚥下困難のある患者に空きペットボトルを対象物とすることで, 運動負荷がかけやすく, 訓練がより実施しやすくなり, 継続することができた. 今後は頸部, 口頬のマッサージ, 皮膚のアイスマッサージ等にも利用し, 実施, 継続しやすく, 効果がある訓練方法を考え実施していきたいと考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |