I-P4-7 喉頭挙上訓練が食道入口部開大不全に対して有効であった一例
重度の食道入口部開大不全に対して, 喉頭挙上訓練を実施し経口摂取に至った症例を経験したので報告する. 【対象】81歳女性. 平成16年12月22日, 右顔面の歪みにて発症し入院. MRIにて延髄右外側に高信号領域あり. HDS-R20/30点. 既往歴として, 平成12年に脳梗塞, 右片麻痺を呈していた. 発症前ADLは車椅子にて自立. 【経過, 結果】病日2日目より訓練開始. 反復唾液飲みテスト0回. 嚥下, 咽頭反射は消失. 咽頭アイスマッサージなど嚥下反射の惹起, 促通訓練を実施. 病日22日目, 第1回嚥下造影検査(以下VF)施行. 喉頭挙上, 食道入口部開大ともに見られず誤嚥あり....
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.347-347 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 重度の食道入口部開大不全に対して, 喉頭挙上訓練を実施し経口摂取に至った症例を経験したので報告する. 【対象】81歳女性. 平成16年12月22日, 右顔面の歪みにて発症し入院. MRIにて延髄右外側に高信号領域あり. HDS-R20/30点. 既往歴として, 平成12年に脳梗塞, 右片麻痺を呈していた. 発症前ADLは車椅子にて自立. 【経過, 結果】病日2日目より訓練開始. 反復唾液飲みテスト0回. 嚥下, 咽頭反射は消失. 咽頭アイスマッサージなど嚥下反射の惹起, 促通訓練を実施. 病日22日目, 第1回嚥下造影検査(以下VF)施行. 喉頭挙上, 食道入口部開大ともに見られず誤嚥あり. そこで, メンデルゾーン手技を中心とした喉頭挙上訓練に変更. 病日36日目, 第2回VF施行, 喉頭挙上が僅かに見られ, 食道入口部開大幅増加と極少量の食道通過を認めた. 訓練に氷片なめ追加. 病日50日目, 第3回VF施行. 喉頭挙上範囲拡大と食道入口部開大幅の更なる増加, 開大時間延長が認められた. 病日50日目ゼリー食開始. 病日61日目ペースト食開始. 病日70日目に経口摂取確立. 【まとめ】球麻痺の摂食, 嚥下障害は自然軽快する場合が多いが, 急性期の患者は経口摂取困難に伴う苦痛をもつ. このような場合, 早期からの積極的な評価, 訓練を行うことは回復の促進を図ることに繋がり, 臨床において不可欠な姿勢と考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |