I-P3-6 食道癌手術症例へのチームアプローチにおける歯科初診時の特徴~歯科衛生士の立場から
大阪大学では, 1997年より食道癌手術患者に対し, 術後早期に社会参加させることを目的に, 歯科医師, 歯科衛生士, 医師, 看護師, 栄養士によるチームアプローチを行っている. 歯科の役割は, 誤嚥性肺炎, 吻合部縫合不全の予防のための口腔衛生指導, および専門的機械的口腔清掃, 咀嚼機能の回復, 摂食, 嚥下指導などである. 本診療システムでは, 手術前週に当部を受診し, 術後に歯科医師, 歯科衛生士の病室への往診を行う流れとなっている. この診療システムでは, 術前1回のみの受診であるため, 歯科治療の時間に余裕が無いといった制限がある. したがって, 患者のmotivationを高め...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.339-340 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 大阪大学では, 1997年より食道癌手術患者に対し, 術後早期に社会参加させることを目的に, 歯科医師, 歯科衛生士, 医師, 看護師, 栄養士によるチームアプローチを行っている. 歯科の役割は, 誤嚥性肺炎, 吻合部縫合不全の予防のための口腔衛生指導, および専門的機械的口腔清掃, 咀嚼機能の回復, 摂食, 嚥下指導などである. 本診療システムでは, 手術前週に当部を受診し, 術後に歯科医師, 歯科衛生士の病室への往診を行う流れとなっている. この診療システムでは, 術前1回のみの受診であるため, 歯科治療の時間に余裕が無いといった制限がある. したがって, 患者のmotivationを高め, 効果的な治療を行うために, 食道癌患者の特徴を把握しておくことが重要と考えられる. そこで今回, 食道癌患者の初診時の状況を調査したので報告する. 【方法】対象は食道癌手術症例33名とした. 当部初診時の全身既往歴, 口腔への関心, 口腔状態について調査を行った. 【結果】〔全身既往歴〕既往歴がある者が79%, 術前療法を受けた者は48%. 〔口腔への関心〕1日のブラッシング回数1回以下の者37%, 舌清掃の習慣の無いものが67%. 〔口腔状態〕RDテストでは口腔衛生状態不良とされるMiddle以上が87%, Plaque Control Recordでは, 口腔衛生状態不良とされる30%以上が81%, CPIでは歯周病と判断される3以上が90%, 緊急処置が必要な者54%. 【考察】今回の調査の結果, 全身既往歴を有する者が多く, 歯科処置も必要なことが多いことから, 術前1回の受診では十分でないことが考えられた. また口腔への関心が低く, 口腔状態が不良な者が多かった. したがって, モチベーションを高め, 効果的な歯科治療を提供するには, 歯科介入の時期を早めるなどシステムの見直しが必要と考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |