I-P1-15 多発性脳梗塞後に発症したdysphagia lusoria(奇形性嚥下障害)の一例
【目的】右鎖骨下動脈起始異常は, 全成人の約1%に認められる先天奇形であるが, 嚥下障害の発症は稀である. 我々はこの奇形を伴った嚥下障害を経験したので報告する. 【症例】症例は56歳男性, 2004年11月に多発性脳梗塞による右不全片麻痺が出現した. 2005年1月より嚥下障害を発症したため, 2月3日に精査, 加療目的で当科入院した. 【結果】RSSTは5回/30秒. 軟口蓋挙上も良好であった. 嚥下造影上では, 食道中部において食塊の通過障害とむせこみによる逆流を認めた. CT上右鎖骨下動脈の起始異常と食道中から下部にかけての全周性の肥厚を認めた. さらにGTFを施行したところ, 食道中...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.330-330 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】右鎖骨下動脈起始異常は, 全成人の約1%に認められる先天奇形であるが, 嚥下障害の発症は稀である. 我々はこの奇形を伴った嚥下障害を経験したので報告する. 【症例】症例は56歳男性, 2004年11月に多発性脳梗塞による右不全片麻痺が出現した. 2005年1月より嚥下障害を発症したため, 2月3日に精査, 加療目的で当科入院した. 【結果】RSSTは5回/30秒. 軟口蓋挙上も良好であった. 嚥下造影上では, 食道中部において食塊の通過障害とむせこみによる逆流を認めた. CT上右鎖骨下動脈の起始異常と食道中から下部にかけての全周性の肥厚を認めた. さらにGTFを施行したところ, 食道中部から下部に全周性腫瘍を認め, 病理診断では扁平上皮癌であった. 【考察】右鎖骨下動脈起始異常によるdysphagia lusoriaの診断には嚥下造影が有力である. また, 他の食道病変の合併が多いことから, 嚥下造影のみならず, GTFによる食道病変の検索も重要である. |
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ISSN: | 1343-8441 |