I-6-10 頭頸部がん術後の重症嚥下障害に対するチームアプローチの効果
【目的】従来, 当病棟での嚥下障害への対応は, 主治医と看護師が行い, 嚥下障害が顕在化後に言語聴覚士など必要な職種の参加を要請していた. しかし, 患者の摂食, 嚥下能力改善に難渋する例もあり, 術前から嚥下障害を予測した多職種による早期からのチームアプローチを始めた. 今回, 術前からのチームアプローチの効果について検討する, 【対象と方法】従来通り嚥下障害が顕在化後に対応した6症例をA群, 重症嚥下障害を予測し早期から対応した9症例をB群とした. 藤島の摂食, 嚥下能力グレード(以下Gr. )に基づいて, 訓練開始時と退院時の嚥下能力の変化を比較し, チームアプローチの効果を検討する....
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.323-324 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】従来, 当病棟での嚥下障害への対応は, 主治医と看護師が行い, 嚥下障害が顕在化後に言語聴覚士など必要な職種の参加を要請していた. しかし, 患者の摂食, 嚥下能力改善に難渋する例もあり, 術前から嚥下障害を予測した多職種による早期からのチームアプローチを始めた. 今回, 術前からのチームアプローチの効果について検討する, 【対象と方法】従来通り嚥下障害が顕在化後に対応した6症例をA群, 重症嚥下障害を予測し早期から対応した9症例をB群とした. 藤島の摂食, 嚥下能力グレード(以下Gr. )に基づいて, 訓練開始時と退院時の嚥下能力の変化を比較し, チームアプローチの効果を検討する. 本報告は, データ収集の段階で研究のために意図的に「嚥下障害が顕在化後の対応」と「重症嚥下障害を予測し早期からの対応」に分類したものではなく, 現状を改善したいと取り組んだ結果を振り返り, 分類してまとめたものである. 【結果】A群のうち3症例は誤嚥性肺炎をおこしていた. A群の訓練開始時のGr.は全症例2であった. 訓練後もGr.3以下の重症は4症例でうち3症例に改善はなかった. Gr.4~6の中等症状への改善は2症例であった. B群は誤嚥性肺炎の合併はなく, 8症例はGr.7~9の軽症へ, 1症例にGr.10の正常まで改善がみられた. B群はA群に比較し摂食, 嚥下能力の改善が顕著であった. 【考察】B群の摂食, 嚥下能力の改善は, 術前から多職種によるカンファレンスと専門性を活用した計画的な関わりにある. また, 多職種が情報を共有し, 到達目標を明確にしたことにある. 各職種が適切な時期にそれぞれの役割を果たし, チームが有効に機能した. その結果, チームアプローチが充実し患者の摂食, 嚥下能力の改善につながったと考える. |
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ISSN: | 1343-8441 |