シンポジウムI-6 歯科衛生士の行う口腔ケアとNST活動

当院は平成15年4月に, 栄養科係長, 薬剤科係長, 感染症科科長が発起人となり, NST(栄養サポートチーム)勉強会を立ち上げた. 平成16年1月院長直属のNST委員会とNST活動チームが認可され, 平成16年3月に病棟回診を中心とする活動を開始した. この1年でのNST活動の成果としては, (1)NSTというものが認知されNST活動に理解が得られてきた(2)看護師や医師に栄養の重要性が認知された(3)看護師による患者の定期的な身体計測が実施されるようになった(4)医師や看護師が患者の栄養, 食事について, 栄養科や薬剤科, 歯科口腔外科に相談したりすることが増えてきた, などがあげられる....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2005, Vol.9 (3), p.300-301
1. Verfasser: 北川有佳里
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院は平成15年4月に, 栄養科係長, 薬剤科係長, 感染症科科長が発起人となり, NST(栄養サポートチーム)勉強会を立ち上げた. 平成16年1月院長直属のNST委員会とNST活動チームが認可され, 平成16年3月に病棟回診を中心とする活動を開始した. この1年でのNST活動の成果としては, (1)NSTというものが認知されNST活動に理解が得られてきた(2)看護師や医師に栄養の重要性が認知された(3)看護師による患者の定期的な身体計測が実施されるようになった(4)医師や看護師が患者の栄養, 食事について, 栄養科や薬剤科, 歯科口腔外科に相談したりすることが増えてきた, などがあげられる. 歯科口腔外科は, 院内のNST活動開始前の平成11年9月から小児を対象とした摂食, 嚥下機能障害外来を開設し, 当初から歯科衛生士が口腔ケア, 摂食機能訓練を担当してきた. 院内小児科, 歯科口腔外科, 栄養科の連携が取れていたこの外来は, 規模は小さいが外来患者のNST活動といえる. また歯科口腔外科はNST立ち上げの勉強会から積極的に参加しており, 現在も摂食, 嚥下障害とその対応, 口腔ケアについて担当している. 回診開始後は, 当初から歯科医師が回診に参加し, 病棟患者の口腔内の問題, 喫食率不良, 嚥下に関するトラブルに関しては, 回診時の口腔内診査, 主治医への提案, 口腔清掃状態不良な患者への口腔ケア実施, 嚥下評価および摂食機能療法を行っている. 歯科衛生士は, 歯科医師とともに, また歯科衛生士単独でも, 歯科医師の指示, 指導のもと, 積極的, 継続的に口腔ケア, 摂食機能療法を実施してきた. その際, 言語聴覚士や看護師, 管理栄養士と連携している. さらに, 口腔ケアにおいては, NST活動から発展して, ICT(感染管理チーム)と連携し, 歯科衛生士は病棟における口腔ケア, ICUでの口腔ケアの方法を再検討し, 標準化を図っている. MRSA対策としては宿主の発症予防が大切であり, 患者の栄養状態, 免疫状態を良好に保つためのNST活動が有効であることはいうまでもない. 歯科衛生士は, 十分な栄養摂取, できるだけ早期の経口摂取開始, 安全においしく食べるための嚥下評価と摂食機能療法, 口腔内を良好に保つ口腔ケアのすべてに関与し, 精力的に活動している. 歯科衛生士は, 他職種との連携, 患者とのコミュニケーションをとりながら, NSTチームの一員として, 自分の専門性である器質的, 機能的口腔ケアを実施して, 口からはじまる全身の健康に寄与することで病院医療安全システムの一翼を担っていると考える.
ISSN:1343-8441