I-P7-1 濃厚流動食の粘度調整と胃食道逆流症との関連に関する研究 -第1報 粘度調整食品濃度とカルシウム濃度との関連
【目的】重度の嚥下障害のある患者では, 経口摂取が困難なため, 経管栄養が選択される. これらの患者の中には, 胃食道逆流症(GERD)および逆流性食道炎がみられることが報告されている. 現在, 在宅では患者に見合った濃厚流動食が選択されているが, GERDおよび逆流性食道炎で悩んでいる患者は少なくない. これらの症状を軽減させる方法の1つとして, 濃厚流動食に粘度調整食品を添加した経管栄養による症例が報告されている. 今回, 当院で使用されている主な濃厚流動食に粘度調整食品とカルシウム補助食品を添加した時の物性について比較検討した. 【方法】10種類の濃厚流動食について, 37℃の条件下で,...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2004, Vol.8 (2), p.233-234 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】重度の嚥下障害のある患者では, 経口摂取が困難なため, 経管栄養が選択される. これらの患者の中には, 胃食道逆流症(GERD)および逆流性食道炎がみられることが報告されている. 現在, 在宅では患者に見合った濃厚流動食が選択されているが, GERDおよび逆流性食道炎で悩んでいる患者は少なくない. これらの症状を軽減させる方法の1つとして, 濃厚流動食に粘度調整食品を添加した経管栄養による症例が報告されている. 今回, 当院で使用されている主な濃厚流動食に粘度調整食品とカルシウム補助食品を添加した時の物性について比較検討した. 【方法】10種類の濃厚流動食について, 37℃の条件下で, B型粘度計を用いて粘度測定を行った. 各濃厚流動食は, (1)単体, (2)粘度調整食品を一定量添加した場合, (3)カルシウム補助食品は, 総カルシウム量が一定になるように添加した場合, の3種について測定した. 今回は, 特に回転数20rpmにおける粘度について着目した. 【結果および考察】単体と粘度調整食品を添加した場合を比較すると, 粘度の順位が一致しなかった. カルシウム補助食品を添加することで粘度が高くなるものも認められたが, 変化のないものも多かった. 今回, 使用した濃厚流動食に含有されるカルシウムは, たんぱく質と結合して存在しているものが多い傾向にあった. 粘度調製食品は, 遊離型カルシウムイオンと結合することによりゲル化する性質をもつことから, 各濃厚流動食に含有されるカルシウムイオンによって粘度に差がでたのではないかと考えられた. また, 粘度に及ぼす影響として考えられるカルシウムについてどのような種類で存在しているかについて検討する必要があると考えられた. さらに, 今後は臨床応用も併せて実施することで, GERDおよび逆流性食道炎の軽減につながるような最適な物性について検討する必要性があると考えられた. |
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ISSN: | 1343-8441 |