I-2-10 摂食・嚥下障害への低周波治療の試み -内視鏡による動態観察
【目的】摂食, 嚥下の口腔期, 咽頭期の障害では, 特に重症の場合, 徒手的に行う間接訓練のみでは限界があり, 訓練に苦慮することも少なくない. 低周波治療は, 従来からマッサージ効果や, リラクゼーション効果を目的に四肢筋群に使用されている. 本治療法を嚥下訓練にも導入し, 外舌筋, 舌骨上筋群を他動的に協調運動させ, 嚥下関連器官の連携を早期に回復させることが可能かどうか検証した. 予備実験として健常成人を対象に, 本法施行中の嚥下関連器官の動態を, ビデオ内視鏡を用いて観察し, 嚥下訓練としての可能性を検討した. 【対象と方法】対象は摂食, 嚥下障害を有しない健常成人男性2名. 低周波治...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2004, Vol.8 (2), p.202-202 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】摂食, 嚥下の口腔期, 咽頭期の障害では, 特に重症の場合, 徒手的に行う間接訓練のみでは限界があり, 訓練に苦慮することも少なくない. 低周波治療は, 従来からマッサージ効果や, リラクゼーション効果を目的に四肢筋群に使用されている. 本治療法を嚥下訓練にも導入し, 外舌筋, 舌骨上筋群を他動的に協調運動させ, 嚥下関連器官の連携を早期に回復させることが可能かどうか検証した. 予備実験として健常成人を対象に, 本法施行中の嚥下関連器官の動態を, ビデオ内視鏡を用いて観察し, 嚥下訓練としての可能性を検討した. 【対象と方法】対象は摂食, 嚥下障害を有しない健常成人男性2名. 低周波治療器としてOG-GIKEN社製PURSECURE-PRO K-7を使用した. オトガイ下部から甲状軟骨上部までの顎下部皮膚上に, 正中をはさんで, 両側に低周波電極を装着し, T-FESモードで, 40Hz, 32~56Vの条件の下, 間歇的通電により, 舌骨上筋群を反復的に筋収縮させ, 嚥下関連器官の動態を内視鏡的に観察した. 電極の貼付部位や通電条件の設定には, 最も効果的な運動を生じさせる部位を, 内視鏡で確認し決定した. 【結果】低周波通電に伴い, 舌根部の軽度挙上, 喉頭蓋の翻転傾向, 披裂軟骨の内転運動, と声門閉鎖傾向, 梨状陥凹の拡大が観察された. 通電強度の増強により舌根部の挙上量はさらに増加し, 咽頭側壁の移動に伴う咽頭腔の狭小化が観察され, 嚥下反射の誘発も可能であった. 【考察】低周波治療により, 嚥下関連筋群を反復的に筋収縮させ, 嚥下関連器官を作動させることで, 嚥下前段階まで誘導することが可能であった. 尚, 電極貼付部位や通電条件の設定には内視鏡的観察が有効であった. 以上より本法が口腔期や咽頭期における摂食, 嚥下障害に対する訓練方法の一つとして有用であることが示唆された. |
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ISSN: | 1343-8441 |