II-P4-19 障害者歯科診療室に治療目的で受診した患者の摂食・嚥下に関する実態調査
【目的】歯科治療を主訴に当診療室を受診した心身障害児, 者に対して摂食, 嚥下に関するアンケートを行った. 結果から, 摂食, 嚥下障害を有することが多い心身障害者の摂食, 嚥下障害に対する自覚/他覚症状等を把握することを目的とした. 【対象と方法】対象は2002年10月から2003年2月にかけて, 当診療室へ歯科治療を主訴に受診した心身障害児, 者215名(男性145名, 女性70名, 平均年齢34.5歳(5~74歳)). アンケートは聖隷式嚥下質問紙に8項目加えた全23項目で, 1. 食事に関する既往/現症, II. 認知期, III. 準備期, 口腔期, IV. 咽頭期, V. 食道期の...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2003, Vol.7 (2), p.260-261 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】歯科治療を主訴に当診療室を受診した心身障害児, 者に対して摂食, 嚥下に関するアンケートを行った. 結果から, 摂食, 嚥下障害を有することが多い心身障害者の摂食, 嚥下障害に対する自覚/他覚症状等を把握することを目的とした. 【対象と方法】対象は2002年10月から2003年2月にかけて, 当診療室へ歯科治療を主訴に受診した心身障害児, 者215名(男性145名, 女性70名, 平均年齢34.5歳(5~74歳)). アンケートは聖隷式嚥下質問紙に8項目加えた全23項目で, 1. 食事に関する既往/現症, II. 認知期, III. 準備期, 口腔期, IV. 咽頭期, V. 食道期の問題に着目して構成した. 回答者は本人または介助者とした. 【結果】対象者自身で回答が可能であったのは21名(10%)であった. 異食, 嘔吐, 反芻のある対象者の多くは知的障害者であった. 咽頭期の問題と捉えた項目で, 症状が「よくある」と回答した対象者には脳性麻痺が多く, また, 食事姿勢を寝たきりと回答した対象者も脳性麻痺であった. 聖隷式嚥下質問紙に含まれる15項目に着目すると, 嚥下障害の存在が疑われる対象者は, 71名(30%)であった. 【考察】異食, 嘔吐, 反芻といった食行動の異常は中度~重度の知的障害者でみられるとされ, 本研究でも同様の結果が得られた. 食事姿勢や咽頭期に問題を抱えた脳性麻痺者の存在が示唆された. 不顕性誤嚥による誤嚥性肺炎を発症している対象者の存在も示唆された. 潜在的な摂食, 嚥下障害患者の存在から, 今回のアンケートはスクリーニングとして有用であったと考えられた. 今後は自己記入が困難かつ認知期等に問題を持つ障害者を対象にしても本アンケートが有効かどうか検討する必要があると考えられた. 【結論】障害者の歯科医療機関における摂食, 嚥下障害に対する関わりの重要性が示唆された. |
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ISSN: | 1343-8441 |