寒天とゼラチンを基剤とするX線透視検査用試験食品の開発
当科では, すでに食物の物性を規格化したX線透視用検査食を開発し, 検査食の物性と嚥下動態に関する研究を行ってきた. その結果, 検査食の硬さや付着性が, 嚥下動態に影響を与えることが明らかとなった. 今回は, 嚥下動態に影響を与える食物の性質をさらに検討する目的で, 硬さと付着性を規定し基剤の異なる検査食を開発したので報告する. 【検査食の種類】 2種類の寒天製剤を使った検査食A, Bについては, それぞれ3タイプを用意した. それぞれの硬さは, 約1×10^3 , 3×10^3 , 5×10^3 N/平方メートルとし, 付着性について検査食Aでは, 2×10^2 から4×10^2 J/立方...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 1999, Vol.1999 (suppl), p.80-80 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当科では, すでに食物の物性を規格化したX線透視用検査食を開発し, 検査食の物性と嚥下動態に関する研究を行ってきた. その結果, 検査食の硬さや付着性が, 嚥下動態に影響を与えることが明らかとなった. 今回は, 嚥下動態に影響を与える食物の性質をさらに検討する目的で, 硬さと付着性を規定し基剤の異なる検査食を開発したので報告する. 【検査食の種類】 2種類の寒天製剤を使った検査食A, Bについては, それぞれ3タイプを用意した. それぞれの硬さは, 約1×10^3 , 3×10^3 , 5×10^3 N/平方メートルとし, 付着性について検査食Aでは, 2×10^2 から4×10^2 J/立方メートル, 検査食Bでは, 5×10から1×10^2 J/立方メートルとした. またゼラチンを基剤とする検査食Cに含まれる3タイプの硬さは, それぞれ約1×10^3 , 3×10^3 , 5×10^3 N/平方メートルと検査食A, Bと同程度とし付着性は, 6.2×10から1.1×10^2 J/立方メートルとした. 【分析方法と対象症例】 X線ビデオ透視画像をパーソナルコンピューターに入力し, フレーム毎に分析して, 嚥下機能を定性的, 定量的に分析した. 定性的評価では, 誤嚥の重症度(気管内侵入, 喉頭内侵入, 異常なし)と1回の嚥下動作後の咽頭部(喉頭蓋谷, 梨状陥凹, 喉頭前庭)への造影剤の停留(なし~軽度, 中等度, 重度)を分析した. 時間軸上の定量的評価では, 喉頭挙上開始時間, 輪状咽頭筋領域到達時間, 輪状咽頭筋反応時間の計測を行った. 対象症例は, 脳血管障害により嚥下障害を呈する患者である. これらの症例について, 基剤の相違による嚥下動態の変化を比較して報告する. |
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ISSN: | 1343-8441 |