造影剤の硬さによる嚥下動態の変化に関する研究

【目的】硬さの異なる規格化されたX線透視ビデオ検査用の検査食4種類を用いて, 検査食の硬さの相違による誤嚥の重症度と, 食物の硬さの相違が嚥下動態に与える影響について検討したので報告する. 【対象患者および計測項目】対象症例は被殼部を中心とした脳出血患者10例で, 病巣部位が被殼に限局している症例が7例, 被殼とその周辺に出血巣がある症例が3例である. なお, 健康な成人13名をコントロール群とした. VF画像の分析としては誤嚥の重症度と定量的評価として喉頭挙上開始時間, 食道入口部到達時間, 食道入口部開大時間を計測した. 【結果】患者群10例中3例で誤嚥の危険性が高いと判定された. また,...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 1999, Vol.3 (2), p.76-76
Hauptverfasser: 秋月文子, 道脇幸博, 横山美加, 衣松令恵, 田辺雄一, 小澤素子, 道健一, 稲川利光, 日吉政光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】硬さの異なる規格化されたX線透視ビデオ検査用の検査食4種類を用いて, 検査食の硬さの相違による誤嚥の重症度と, 食物の硬さの相違が嚥下動態に与える影響について検討したので報告する. 【対象患者および計測項目】対象症例は被殼部を中心とした脳出血患者10例で, 病巣部位が被殼に限局している症例が7例, 被殼とその周辺に出血巣がある症例が3例である. なお, 健康な成人13名をコントロール群とした. VF画像の分析としては誤嚥の重症度と定量的評価として喉頭挙上開始時間, 食道入口部到達時間, 食道入口部開大時間を計測した. 【結果】患者群10例中3例で誤嚥の危険性が高いと判定された. また, 検査食が硬くなると異常なしと判定される割合が多い傾向であった. VF検査の時間軸上の分析結果では検査食2と4において40%の症例で喉頭挙上開始時間が遅延しており, 誤嚥を示していた患者3例のうち1例では, 顕著な延長が認められた. 食道入口部到達時間においては患者群で全ての検査食において20%以上の症例で延長が認められ検査食が硬くなると食道入口部到達時間が延長する傾向にあった. 食道入口部開大時間では10%以上の症例で延長が認められたが検査食の硬さの相違による変化はほとんどみられなかった. 【まとめ】1)液状の検査食ほど誤嚥しやすい傾向にあった. 2)VF検査による時間軸上の分析結果では喉頭挙上開始の遅延や, 食塊の送り込みの異常がみられ, 特に, 誤嚥の危険性の高い症例ではこれらの延長の程度が著しい傾向であった.
ISSN:1343-8441