チーム医療で行なった摂食外来の検討
静岡県立こども病院では, チームアプローチによる摂食外来を開催し, 特に問題の多いケースにつき, 指導・訓練を行なってきた. そこで, 昭和62年9月より平成9年3月までに摂食外来を受診した患者180名について, 発達を基準に5群に分類し, それぞれの群について, 調査・検討を行なった. 【正常発達群】は, ボーダーラインまでの発達を示した者とした. 口腔機能に問題がなく, 親子関係や育児に問題があり, 母親への指導が必要であった. 【精神発達遅滞群】は, 運動機能の遅れには問題の無い者とした. 半数以上に摂食への著しい嫌がりが認められたが, 口腔機能には問題が少なく, 心理的な問題が多かった...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 1997, Vol.1 (1), p.132-133 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 静岡県立こども病院では, チームアプローチによる摂食外来を開催し, 特に問題の多いケースにつき, 指導・訓練を行なってきた. そこで, 昭和62年9月より平成9年3月までに摂食外来を受診した患者180名について, 発達を基準に5群に分類し, それぞれの群について, 調査・検討を行なった. 【正常発達群】は, ボーダーラインまでの発達を示した者とした. 口腔機能に問題がなく, 親子関係や育児に問題があり, 母親への指導が必要であった. 【精神発達遅滞群】は, 運動機能の遅れには問題の無い者とした. 半数以上に摂食への著しい嫌がりが認められたが, 口腔機能には問題が少なく, 心理的な問題が多かった, 【軽度~中等度障害群】は, 運動機能の遅れがあるが定頸可能なレベルの者とした. 摂食機能に問題が認められ, 摂食指導や訓練を必要とした. 過敏及び感覚受容に問題がある者や, 経管依存や哺乳ビン依存が多く認められ, 感覚受容の幅の狭さや, こだわりが強く, パターン化した行動を示す者が多かった. 【重度障害群】は, 定頸困難なレベルの者とした. 摂食機能に問題があり, 嚥下に問題を有している者が約半数に認められた. 経管栄養も約半数に認められた. 一定以上の摂食機能の改善が困難であった. 【最重度群】は, 寝たきりの状態で意識レベルの低い者とした. 全員, 経口摂取困難であり, 唾液嚥下練習や口腔管理を行なった. 【考察】各群とも, 多岐にわたる問題を生じており, チームアプローチを必要とする者が多かった. 口腔機能にさほど問題がないものの, 知識や情報に誤りがあるケースが多く, 正しい知識の啓蒙が必要と考えられた. 経口摂取を拒否するケースや, 症状の固定化したケースは, 改善が困難であり, より早期から全体的療育の視点に立ち, 摂食指導を行なっていく必要性が認められた. |
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ISSN: | 1343-8441 |