DSAを用いた嚥下機能検査
【目的】嚥下機能検査としてビデオレントゲン検査(以下VF)が広く行われている. 今回我々は, Digital subtraction angiography(以下DSA)装置を用いて, 嚥下にかかる時間と, 造影剤の通過を測定してtime density curveを描くことによって, 嚥下機能検査を行った. 【対象と方法】健常ボランティアに, バリウムを15ml嚥下させてDSAを撮影し, 1口腔内から食道に流入するまでの時間を測定して, 「飲み込み時間」とした. 2梨状陥凹付近にROIを設定して左右それぞれのtime density curveを描いて, バリウムが梨状陥凹に貯留してから通過...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【目的】嚥下機能検査としてビデオレントゲン検査(以下VF)が広く行われている. 今回我々は, Digital subtraction angiography(以下DSA)装置を用いて, 嚥下にかかる時間と, 造影剤の通過を測定してtime density curveを描くことによって, 嚥下機能検査を行った. 【対象と方法】健常ボランティアに, バリウムを15ml嚥下させてDSAを撮影し, 1口腔内から食道に流入するまでの時間を測定して, 「飲み込み時間」とした. 2梨状陥凹付近にROIを設定して左右それぞれのtime density curveを描いて, バリウムが梨状陥凹に貯留してから通過するまでの時間を測定して, 「貯まり時間」とした. 脳外科的手術を行った症例については, 術前術後に同様の検査を行い比較検討した. 【結果】正常者と嚥下障害のある患者について比較したところ, 「飲み込み時間」は, 正常者0.72秒に対して患者1.05秒と患者の方が長く, 「貯まり時間」は正常者が0.65秒, 患者0.53秒と患者の方が短い傾向がみられた. また, 数回嚥下を繰り返す症例では, curveのpeakが鮮明に描かれるため, 何度嚥下したか, などの情報が詳細に検討できた. 【考察】患者では口腔期に時間がかかり, 飲み込んでからのtime density curveの急峻な症例が多かった. 口腔内の食物を送り込みにくいため, 飲み込み時間が延長し, 咽頭での内容物の保持が難しいため, 貯まり時間の短縮がみられたと考えられた. 従来のVFでは, 内容物の通過について, 時間測定はできるが, 濃度の測定はできないため, 通過速度についての細かい解析はむずかしい. DSAを用いる検査では, 造影剤のtime density curveが得られ, 喉頭から食道にかけての内容物の通過状態を詳細に検討することができ, 嚥下機能訓練に対して重要な情報を得ることができる有用な検査方法と考えられる. |
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ISSN: | 1343-8441 |