血球減少を伴う悪性リンパ腫患者における運動療法の実行可能性について: 後方視的観察研究による予備的検討

【目的】悪性リンパ腫患者を対象として血液検査所見と理学療法の実行可能性および安全性の関連性を明らかにする。【方法】対象は入院化学療法および運動療法を実施した悪性リンパ腫患者79 名で,対象者にはBorg scale 13 を指標とした運動療法を1 日20 分間,週6 日間実施した。理学療法実行率(実施日数/予定日数)を白血球数,血小板数に基づき層別化して算出した。また有害事象発生の有無を調査した。【結果】対象者全体の理学療法実行率の中央値は96.8%(範囲61.7 -100.0%)と高く,運動中および実施後に有害事象は認められなかった。一方,白血球数1,000/µL 未満または血小板数20,0...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2020, Vol.47(2), pp.174-180
Hauptverfasser: 笠原, 龍一, 藤田, 貴昭, 髙橋, 祥子, 甲斐, 龍幸, 森下, 慎一郎, 神保, 良平, 神保, 和美, 髙野, 綾, 山本, 優一, 木村, 秀夫, 志賀, 隆, 古川, 未希, 池添, 隆之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】悪性リンパ腫患者を対象として血液検査所見と理学療法の実行可能性および安全性の関連性を明らかにする。【方法】対象は入院化学療法および運動療法を実施した悪性リンパ腫患者79 名で,対象者にはBorg scale 13 を指標とした運動療法を1 日20 分間,週6 日間実施した。理学療法実行率(実施日数/予定日数)を白血球数,血小板数に基づき層別化して算出した。また有害事象発生の有無を調査した。【結果】対象者全体の理学療法実行率の中央値は96.8%(範囲61.7 -100.0%)と高く,運動中および実施後に有害事象は認められなかった。一方,白血球数1,000/µL 未満または血小板数20,000/µL 未満の時期では理学療法実行率が有意に低下した(p < 0.001)。【結論】悪性リンパ腫患者に対する運動療法の安全性は示された。一方で,白血球数と血小板数の減少は理学療法実行率と関連することが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11661