全人工膝関節置換術後のアロディニアと灼熱痛に対し,触覚と温度覚の識別課題により症状の軽減が認められた症例

【目的】全人工膝関節置換術(以下,TKA)後の神経障害性疼痛の増悪を抑制させることが術後遷延性疼痛への進行を予防するために重要である。今回,TKA 後にアロディニアと灼熱痛が生じ,身体イメージの変容から広範囲な領域に疼痛が生じた症例に対し,触覚と温冷覚の識別課題を段階的に行い,術後遷延性疼痛の予防に努めたため,以下に報告する。【方法】対象はTKA 後にアロディニアと灼熱痛を呈した70 歳代男性。介入の第1 段階では,アロディニアに触覚の識別課題,第2 段階では,灼熱痛に温度覚の識別課題を行った。【結果】第1 段階の治療後は二点識別覚閾値の向上,身体イメージの形成,アロディニアの軽減を認めた。第...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2019, Vol.46(4), pp.259-266
Hauptverfasser: 内藤, 卓也, 問田, 純一, 平賀, 勇貴, 平川, 善之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】全人工膝関節置換術(以下,TKA)後の神経障害性疼痛の増悪を抑制させることが術後遷延性疼痛への進行を予防するために重要である。今回,TKA 後にアロディニアと灼熱痛が生じ,身体イメージの変容から広範囲な領域に疼痛が生じた症例に対し,触覚と温冷覚の識別課題を段階的に行い,術後遷延性疼痛の予防に努めたため,以下に報告する。【方法】対象はTKA 後にアロディニアと灼熱痛を呈した70 歳代男性。介入の第1 段階では,アロディニアに触覚の識別課題,第2 段階では,灼熱痛に温度覚の識別課題を行った。【結果】第1 段階の治療後は二点識別覚閾値の向上,身体イメージの形成,アロディニアの軽減を認めた。第2 段階の治療後は神経障害性疼痛が軽減し,温度感覚の異常の改善を認め,灼熱痛の軽減を認めた。【結論】TKA 後のアロディニアと灼熱痛に対し,段階的に触覚と温冷覚の識別課題を行うことで症状の軽減が認められた可能性が考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11542