運動と認知機能 - 運動による神経栄養因子の発現とシナプスの修飾

「はじめに」 超高齢化社会を迎えた今日, 日本は世界有数の長寿国としての地位にある. 一方, 高齢者が健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間として定義される健康寿命が, 果たしてこの長寿に追随しているかどうかについては社会的な焦点となっている. 平成2010年時のデータに基づく健康寿命の平均寿命からの乖離は, 男性で9.13歳, 女性で12.68歳であり, 人生最後の約10年前後, なんらかの形で介助, 介護が必要なことが浮き彫りになっている. この乖離の要因の中でも高齢者の認知症は主要な要因であり, その予防に対して強い社会的関心が集まっている. その有効な予防の手段として...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2016-10, Vol.43 (suppl-3), p.35-37
1. Verfasser: 前島洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 超高齢化社会を迎えた今日, 日本は世界有数の長寿国としての地位にある. 一方, 高齢者が健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間として定義される健康寿命が, 果たしてこの長寿に追随しているかどうかについては社会的な焦点となっている. 平成2010年時のデータに基づく健康寿命の平均寿命からの乖離は, 男性で9.13歳, 女性で12.68歳であり, 人生最後の約10年前後, なんらかの形で介助, 介護が必要なことが浮き彫りになっている. この乖離の要因の中でも高齢者の認知症は主要な要因であり, その予防に対して強い社会的関心が集まっている. その有効な予防の手段として, 高齢者における運動は単に運動機能のみならず, 認知症を含む認知・精神機能における退行抑制に対してもきわめて有効な手段であることが注目されている. したがって, 運動機能の専門職である理学療法士にとって, その治療の核をなす運動療法が認知症の予防, 進行抑制に対してもきわめて有効な手段であることの意味は大きい.
ISSN:0289-3770