早期からの理学療法介入により筋力やせん妄の改善が認められた心停止後症候群の1症例

【目的】冠動脈の多枝病変により心停止後症候群に至った症例に対し,早期からの理学療法を実施し,改善したので報告する。【対象と方法】症例は86歳の男性,蘇生後の臥床期間が続いたことで,重度の呼吸不全やせん妄,筋力低下などを伴っており,基本的動作も全介助であった。これに対し,過負荷に考慮したうえで受動での体位療法や他動的な関節トレーニングから開始し,循環動態の安定とともに車椅子への離床を他職種協働にて行った。【結果】介入期間中の有害事象を認めず,安全に理学療法を実施できた。また,せん妄や筋力,基本的動作においても改善を認めた。【結語】急性期患者の病態は刻々と変化するため,安全性を担保するためにも医師...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2015/04/20, Vol.42(2), pp.125-130
Hauptverfasser: 渡辺, 伸一, 鈴木, 秀一, 大野, 美香, 染矢, 富士子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】冠動脈の多枝病変により心停止後症候群に至った症例に対し,早期からの理学療法を実施し,改善したので報告する。【対象と方法】症例は86歳の男性,蘇生後の臥床期間が続いたことで,重度の呼吸不全やせん妄,筋力低下などを伴っており,基本的動作も全介助であった。これに対し,過負荷に考慮したうえで受動での体位療法や他動的な関節トレーニングから開始し,循環動態の安定とともに車椅子への離床を他職種協働にて行った。【結果】介入期間中の有害事象を認めず,安全に理学療法を実施できた。また,せん妄や筋力,基本的動作においても改善を認めた。【結語】急性期患者の病態は刻々と変化するため,安全性を担保するためにも医師や看護師との密な連携が必要になると思われた。また,心停止後症候群の患者に対して,早期から離床を行うことで呼吸機能のみでなく,筋力低下やせん妄の改善においても有効ではないかと考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009930369