回復期脳卒中および大腿骨頸部骨折患者のいわゆる「できるADL」と「しているADL」 - FIM運動項目の得点差の特徴

「要旨」 【目的】本研究の目的は生活の場で遂行されるADL(以下, 実行ADL)と特定の環境で可能なADL(以下, 潜在的ADL)の差についてその特徴を明らかにすることである. 【方法】脳卒中患者391例および大腿骨頸部骨折患者229例の実行ADLと潜在的ADLをFIMで評価し, 運動13項目の実行ADLと潜在的ADLの得点差, 得点に差のあった症例の割合(以下, 不一致割合), 不一致割合とADL難度の関係, 不一致割合の入院時と退院時の変化, 得点差の平均値, 得点差の起こる採点を調べた. 【結果】両疾患群とも運動項目すべてで実行ADL得点が低かった. 不一致割合は入院時, 退院時ともに先...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2015-02, Vol.42 (1), p.58-64
Hauptverfasser: 岩井信彦, 山下和樹, 長尾賢治, 山本順也, 西角暢修, 大川あや
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 【目的】本研究の目的は生活の場で遂行されるADL(以下, 実行ADL)と特定の環境で可能なADL(以下, 潜在的ADL)の差についてその特徴を明らかにすることである. 【方法】脳卒中患者391例および大腿骨頸部骨折患者229例の実行ADLと潜在的ADLをFIMで評価し, 運動13項目の実行ADLと潜在的ADLの得点差, 得点に差のあった症例の割合(以下, 不一致割合), 不一致割合とADL難度の関係, 不一致割合の入院時と退院時の変化, 得点差の平均値, 得点差の起こる採点を調べた. 【結果】両疾患群とも運動項目すべてで実行ADL得点が低かった. 不一致割合は入院時, 退院時ともに先行研究とは異なった結果であった. ADL難度と不一致割合の相関関係は両疾患群とも見出し得なかった. 得点差は項目によっては平均2ないしは3点台のものもあり, 得点差の起こる採点は2~4点が多かった. 【結語】実行ADLと潜在的ADLの差の特徴を明らかにすることで, ADL能力をより的確に把握することが可能になると思われた.
ISSN:0289-3770