肩関節に対する理学療法の新展開: 肩関節障害に対する理学療法技術の再評価

「凍結肩」 「1. 凍結肩の拘縮の背景」 挙上が50度程度, 回旋は総合で30度程度しか可動域がない文字通りの凍結肩の関節はどのような状態だろうか. 当院では保存的治療に強く抵抗する凍結肩の患者には直視下観血的剥離術を勧めている. 術中所見によると, 肩峰下滑液包, 三角筋下滑液包, 烏口下滑液包には癒着が, 烏口上腕靱帯や腱板疎部には肥厚と瘢痕化が, 関節包の腋窩陥凹部には著しい短縮が起こっている. 「1)滑液包の変化」 肩峰下滑液包, 三角筋下滑液包, 烏口下滑液包はいずれも烏口肩峰アーチと腱板の間の層にある滑液包で, 肩峰下滑液包は大結節と肩峰の間, 烏口下滑液包は烏口突起周辺と小結節の...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2012/12/20, Vol.39(8), pp.530-531
1. Verfasser: 立花, 孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「凍結肩」 「1. 凍結肩の拘縮の背景」 挙上が50度程度, 回旋は総合で30度程度しか可動域がない文字通りの凍結肩の関節はどのような状態だろうか. 当院では保存的治療に強く抵抗する凍結肩の患者には直視下観血的剥離術を勧めている. 術中所見によると, 肩峰下滑液包, 三角筋下滑液包, 烏口下滑液包には癒着が, 烏口上腕靱帯や腱板疎部には肥厚と瘢痕化が, 関節包の腋窩陥凹部には著しい短縮が起こっている. 「1)滑液包の変化」 肩峰下滑液包, 三角筋下滑液包, 烏口下滑液包はいずれも烏口肩峰アーチと腱板の間の層にある滑液包で, 肩峰下滑液包は大結節と肩峰の間, 烏口下滑液包は烏口突起周辺と小結節の間, 三角筋下滑液包は三角筋と上腕骨の間の滑動性を保証している. 肩の炎症がどこからはじまるかは議論のあるところで, これらの滑液包の組織学的所見からは一次性拘縮の原因とはいい切れないとされる1). 二次性の変化としても広範囲に癒着が起こっており, 可動域を著しく制限していることは間違いない.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008521548