評価に基づいた理学療法:地域「行為の自立と決定の自立」

「はじめに」地域でケアサービスを利用する人にとって, その大きな目的は「生活機能の維持・向上」である. 当然, 地域で実施される理学療法はこの目的を実現するものでなくてはならない. 今回のセミナーでは, まず初めに, 時代と共に変遷するリハビリテーション・ケアの近い将来を考え, その上で, 生活機能の維持・向上に資する理学療法の具体的な方法論について考えた. この小論では, その中から「生活機能の捉え方」「行為の自立と決定の自立」「生活機能の評価」について論述し, さらに具体的な「ケーススタディ」を加えることにする. 「生活機能の捉え方」生活機能とは何なのか, 生活機能はどのような要素によって...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2009/06/20, Vol.36(4), pp.226-231
Hauptverfasser: 備酒, 伸彦, 梶家, 慎吾
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」地域でケアサービスを利用する人にとって, その大きな目的は「生活機能の維持・向上」である. 当然, 地域で実施される理学療法はこの目的を実現するものでなくてはならない. 今回のセミナーでは, まず初めに, 時代と共に変遷するリハビリテーション・ケアの近い将来を考え, その上で, 生活機能の維持・向上に資する理学療法の具体的な方法論について考えた. この小論では, その中から「生活機能の捉え方」「行為の自立と決定の自立」「生活機能の評価」について論述し, さらに具体的な「ケーススタディ」を加えることにする. 「生活機能の捉え方」生活機能とは何なのか, 生活機能はどのような要素によって構成されるのかについて, ケースを通じて考えてみたい. 多発性脳梗塞, パーキンソニズム, 心疾患, 糖尿病, 変形性膝関節炎を有する82歳女性の在宅生活を想像してみて欲しい. 普通に考えれば, 寝室か居間で, 介護を受けながら消極的な生活を送っている姿が浮かんでこないだろうか. ところが, 実際のケースは図1に示すような「堂々と自立した1人暮らし」を実現している.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00005627718