持ち上げ運動制御過程に影響を及ぼす物体の大きさ知覚とその内部モデル
本研究の目的は持ち上げ運動制御過程に影響を及ぼす物体の大きさ知覚とその内部モデルについて検証することである。健常女性20名を対象とした。大きさは異なるが重さは等しい二つの容器(大と小)を用意した。大小容器の持ち上げは交互に行い,各5試行で構成した。持ち上げ時の僧帽筋,三角筋,上腕二頭筋,腕橈骨筋の活動を表面筋電図により記録し,持ち上げ開始から1秒間の積分値を求めた。また試行後に重さの違い,持ち上げ前の重さの予測について被験者に内省を求めた。1試行目 : 小容器持ち上げ時,A群(大→小)では上腕二頭筋と腕橈骨筋の活動に有意な増加を認めた。一方,B群(小→大)では大容器持ち上げ時に三角筋と上腕二頭...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2005/10/20, Vol.32(6), pp.353-360 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は持ち上げ運動制御過程に影響を及ぼす物体の大きさ知覚とその内部モデルについて検証することである。健常女性20名を対象とした。大きさは異なるが重さは等しい二つの容器(大と小)を用意した。大小容器の持ち上げは交互に行い,各5試行で構成した。持ち上げ時の僧帽筋,三角筋,上腕二頭筋,腕橈骨筋の活動を表面筋電図により記録し,持ち上げ開始から1秒間の積分値を求めた。また試行後に重さの違い,持ち上げ前の重さの予測について被験者に内省を求めた。1試行目 : 小容器持ち上げ時,A群(大→小)では上腕二頭筋と腕橈骨筋の活動に有意な増加を認めた。一方,B群(小→大)では大容器持ち上げ時に三角筋と上腕二頭筋の活動に有意な減少を認めた。2〜5試行目 : A群,B群ともに試行の進行に伴い両者の差が減少した。1試行後に小容器が重いと判断した者が殆どであり,大きさ - 重さの錯覚が認められた。また,持ち上げ前では大容器が重いと予測した者が殆どであり,その理由は大きさの違いに起因するものであった。被験者は物体の大きさの知覚と内部モデルから小容器が軽いと予測したが,主観的な重さの感覚フィードバックにより,その予測を修正したために,このような結果が得られたと考えられる。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00004037395 |