健常者における身体感覚と重心移動について

日常の治療場面において, 口頭指示や身体操作など誘導方法の違いにより対象者の反応が異なる場面を多々経験する. しかし, セラピストは身体の左右方向への体重移動を誘導する際に何を基準に体重が「乗った」としているのであろうか. また患者本人は, どのような状態を重心が移動したと感じるのか. 今回, 口頭指示による一側下肢への随意的重心移動を行わせ, 体重が乗っているという身体感覚と実際の重心移動距離と荷重量の関係を検討したので報告する. 本実験の趣旨に同意を得た健常成人60名(男35名, 女25名, 平均年齢22.83±4.61歳, 身長165.67±6.97cm, 体重59.89±10.52kg...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2004, Vol.31 (suppl-2.2), p.429-429
Hauptverfasser: 玉城奈名恵, 黒田由香利, 座波信司, 安田知子, 高良秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:日常の治療場面において, 口頭指示や身体操作など誘導方法の違いにより対象者の反応が異なる場面を多々経験する. しかし, セラピストは身体の左右方向への体重移動を誘導する際に何を基準に体重が「乗った」としているのであろうか. また患者本人は, どのような状態を重心が移動したと感じるのか. 今回, 口頭指示による一側下肢への随意的重心移動を行わせ, 体重が乗っているという身体感覚と実際の重心移動距離と荷重量の関係を検討したので報告する. 本実験の趣旨に同意を得た健常成人60名(男35名, 女25名, 平均年齢22.83±4.61歳, 身長165.67±6.97cm, 体重59.89±10.52kg)とした. 全例でボール蹴り足は右, 軸足は左であった. 2枚のフォースプレート(アニマ社製重心動揺計G-6100)上に裸足, 開眼にて起立位を取らせた. 両足間の距離は36cmとし, 各々のプレート中央のY軸方向に対し踵骨中央と第一第二中足骨間, X軸に対し外果中央より前方5cmを合わせた. この姿勢を基本立位とし, 以下の課題を行わせた. 基本立位を10秒間保持後, 右下肢への体重移動を行わせ5秒間保持させた. その後, 再び中心へ体重移動させた. 次いで左下肢への体重移動を行わせ5秒間保持後, 再び中心へ体重移動させ終了とした. 口頭指示は「右足に体重を乗せて下さい. 」「真ん中で立って下さい. 」「左足に体重を乗せて下さい. 」とした. 各保持点での左右体重移動時の足圧中心(以下COP:central of pressure)位置, COP移動距離, 荷重率(体重に対する割合%)を計測した. 統計処理はCOP移動距離と荷重率の相関関係を求め, 差の比較は対応のあるt検定, Friedman検定, 多重比較(Tukey)を用いた. 左右体重移動時のCOP移動距離及び荷重率は右:8.70±4.02cm, 72.88±10.15%, 左:9.18±4.26cm, 74.68±9.14%でありCOP移動距離と荷重率の間には左右それぞれに有意な相関が認められた(p
ISSN:0289-3770