胸部外科術後早期からの肺機能の推移

肺腫瘍に対する外科的治療として, 従来より腫瘍摘出術, 肺葉肺切除術が行なわれている. また近年では鏡視下での手術も導入され, 以前に比べると低侵襲での手術が可能となっている. 過去に肺腫瘍外科的治療後の肺機能を報告した文献は多くあり, 術後肺機能, 運動耐容能が低下することは周知のとおりである. しかし, そのほとんどの報告が術後1週間以上経過している, 測定間隔が広く経時的変化がとらえにくい, などの問題点があり術後早期からの肺機能の回復過程は明確ではない. 術後早期からの肺機能の回復過程を把握することは, 術後早期より呼吸理学療法, 運動療法を行なう上で, 大変重要である. 今回我々は胸...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2004, Vol.31 (suppl-2.2), p.340-340
Hauptverfasser: 森沢知之, 金子純一朗, 峯岸忍, 指方梢, 増田幸泰, 湯口聡, 鈴木あかね, 高橋邦泰, 樋渡正夫, 村山史雄, 丸山仁司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肺腫瘍に対する外科的治療として, 従来より腫瘍摘出術, 肺葉肺切除術が行なわれている. また近年では鏡視下での手術も導入され, 以前に比べると低侵襲での手術が可能となっている. 過去に肺腫瘍外科的治療後の肺機能を報告した文献は多くあり, 術後肺機能, 運動耐容能が低下することは周知のとおりである. しかし, そのほとんどの報告が術後1週間以上経過している, 測定間隔が広く経時的変化がとらえにくい, などの問題点があり術後早期からの肺機能の回復過程は明確ではない. 術後早期からの肺機能の回復過程を把握することは, 術後早期より呼吸理学療法, 運動療法を行なう上で, 大変重要である. 今回我々は胸部外科術後早期からの肺機能の回復過程を明らかにするとともに, その関連因子について検討した. 対象:平成15年7月より当院胸部外科にて肺腫瘍に対して外科的治療が施行され, なおかつその前後に理学療法の依頼のあった7名(男性3名女性4名)である. 研究手順:術前情報として年齢BMI呼吸器疾患の既往歴をカルテより聴取し, 術前の肺機能検査を実施. 術後翌日より退院時まで理学療法施行前に毎回肺機能検査を実施し, 同時にその間での呼吸器合併症の有無, 活動性(座位, 歩行に要した日数), 術後入院期間を調査した. また, 手術情報として術時間, 出血量をカルテより聴取した. 肺機能の計測にはミナト社製オートスパイロAS-502を用いた. 統計的手法は経過を要因とした一元配置分散分析及び多重比較検定(Dunnett)を行った. さらに入院期間について超早期群(術後1週間以内:n=3)と早期群(術後1週間以上:n=4)に分け, それぞれの属性について比較検討した(Mann-Whimey's Utest). 肺活量は術後1回目で術前の37.7%まで低下していた. 2回目から4回目にかけても44,3%, 54.2%, 54.7%と術前に比べると有意に低下しており(p<0.05), 退院時の計測でも術前の66.3%に留まった. 1秒量は術後1回目で術前の30.5%まで低下, 2回目から5回目にかけても41.3%, 48.9%, 45.3%, 53.1%と有意に低下しており(p
ISSN:0289-3770