402 老齢者における定常運動負荷試験を用いた運動耐容能評価法の検討

運動耐容能の客観的評価には運動負荷試験が有用とされている. 運動負荷試験における最大酸素摂取量(MaxVO2)やAnaerobic Threshold(AT)の測定には多段階漸増負荷が必要とされる. しかし, 対象者が加齢による体力低下のみならず, 心肺機能や運動器系に重複障害を有する老齢者の場合, 高負荷でのエルゴメーター駆動が困難である. このため, MaxVO2や最大心拍数を用いた運動耐容能評価は難しい. 近年, 定常運動負荷を用いた運動耐容能評価法が提唱されており, その指標として運動開始時酸素摂取量時定数(τon)と酸素欠損(O2 deficit)が用いられている. 本研究では, こ...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2004, Vol.31 (suppl-2.1), p.201-201
Hauptverfasser: 中村孝志, 小林英司, 桐山希一, 清水兼悦, 小林信義, 坂本三哉, 蕨建夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:運動耐容能の客観的評価には運動負荷試験が有用とされている. 運動負荷試験における最大酸素摂取量(MaxVO2)やAnaerobic Threshold(AT)の測定には多段階漸増負荷が必要とされる. しかし, 対象者が加齢による体力低下のみならず, 心肺機能や運動器系に重複障害を有する老齢者の場合, 高負荷でのエルゴメーター駆動が困難である. このため, MaxVO2や最大心拍数を用いた運動耐容能評価は難しい. 近年, 定常運動負荷を用いた運動耐容能評価法が提唱されており, その指標として運動開始時酸素摂取量時定数(τon)と酸素欠損(O2 deficit)が用いられている. 本研究では, この指標が老齢者における運動療法の効果判定に用いることが可能か検討した. また, 最高酸素摂取量(PeakVO2), 最大心拍数, 呼吸数についても検討した. 当院入院中の患者10名(男性5名, 女性5名, 平均76.5±9.9歳)で慢性循環器障害を有し, 屋内独歩可能で著明な運動麻痺を認めない症例を対象とした. 疾患の内訳は中枢神経疾患9名, 糖尿病1名であった. 測定には座位エルゴメーター(Cateye ergociser EC-3600, OG技研), 呼気ガス分析器(CORTEX社製METAMAX3B)を用いた. 運動負荷試験は20wの定常運動負荷で3分間の測定を行った. その後, 4w/minの漸増運動負荷を自覚的症候が限界域に達するまで実施した. 定常運動負荷時の酸素摂取応答曲線から, 酸素摂取量が視覚的に明らかに一定になるポイントを定め定常状態とした. そこからτonとO2 deficitを評価した. 5週間の運動療法の前後でτonとO2 deficitを比較検討した. また, PeakVO2, 最大心拍数, 呼吸数についても同様に比較検討を行った. 平均値の検定にはt検定(P
ISSN:0289-3770