232 大腿骨人工骨頭置換術施行後の受傷前歩行能力の再獲得に影響する因子について
大腿骨頚部骨折の治療目標に歩行能力の再獲得が挙げられる. しかし, 受傷前の歩行能力と同等のレベルに達するのは約4割にも満たないという報告がある. 当院では術後約1週間理学療法を実施し, 病診連携を用いてその後のリハビリテーションを回復期病院に委ねている. 今回, 転院後の歩行機能予後について調査を行い, 人工骨頭置換術施行後の受傷前歩行能力の再獲得に影響する因子について検討したので報告する. 平成14年1月から12月までに当院に入院した人工骨頭置換術施工症例56例のうち, 受傷前の移動能力が室内歩行以上であったものは43例であった. そのうち, 転院先より情報を得ることができた28例を対象と...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2004, Vol.31 (suppl-2.1), p.116-116 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 大腿骨頚部骨折の治療目標に歩行能力の再獲得が挙げられる. しかし, 受傷前の歩行能力と同等のレベルに達するのは約4割にも満たないという報告がある. 当院では術後約1週間理学療法を実施し, 病診連携を用いてその後のリハビリテーションを回復期病院に委ねている. 今回, 転院後の歩行機能予後について調査を行い, 人工骨頭置換術施行後の受傷前歩行能力の再獲得に影響する因子について検討したので報告する. 平成14年1月から12月までに当院に入院した人工骨頭置換術施工症例56例のうち, 受傷前の移動能力が室内歩行以上であったものは43例であった. そのうち, 転院先より情報を得ることができた28例を対象とした. 当院転院後の経過や転帰について回復期病院よりアンケート形式を用いて調査した. 最終的な歩行能力が受傷前歩行能力と同等以上の群(以下再獲得群)と低下した群(以下低下群)の2群に分類し, 受傷前歩行能力再獲得に影響する因子を当院在院中の項目から検討した. 診療録より後方視的に調査を行い, 年齢, 性別, 痴呆の有無, 入院から手術までの日数, 入院から理学療法(以下PT)開始までの日数, 端座位獲得までの日数, 車椅子乗車までの日数, 荷重開始までの日数, 受傷前歩行レベル, 当院転院時歩行レベル, 当院転院時基本動作能力について検討を行った. 項目の群間比較には, X2検定またはMann-WbitneyのU検定を用いて統計学的に解析し, 危険率5%未満を有意とした. 対象28例中, 歩行が可能となったのは26例(929%)であった. また, 各群の内訳は再獲得群では独歩3例, 杖使用4例, 歩行器使用3例の計10例(35. 7%), 低下群でば独歩→杖使用9例, 独歩→歩行器使用6例, 独歩→車椅子2例, 杖使用→歩行器使用1例の計18例(64. 3%)であった. 両群間で有意差を認めた項目は受傷前歩行レベル(p |
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ISSN: | 0289-3770 |