高齢者における大腿骨頸部骨折の退院後ADLと運動機能との関係

【はじめに】大腿骨頸部骨折は高齢者に多く, 脳血管障害, 痴呆とともに寝たきりの主要要因となり, 機能予後が生命予後にも影響を与えると言われている. 一方, 手術方法や術後管理の改善と理学療法の進め方により, 骨折後も高いADLを維持している高齢者も少なくない. しかし, 骨折後の高齢者の運動能力を調査した報告は少なく, 運動能力とADLとの関連も不明である. 今回我々は, 退院後の大腿骨頸部骨折患者のADL調査と運動能力測定を行い, 両者の相関を検討したので報告する. 【対象と方法】1999年1月から2001年5月までに, 東京都老人医療センター整形外科にて大腿骨頸部骨折治療を受けた372例...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2003-04, Vol.30 (suppl-2), p.222-222
Hauptverfasser: 藤田博暁, 荒畑和美, 内山覚, 森隆之, 吉羽誠治, 栗原美智, 庭野ますみ, 国分江美佳, 山口勇, 太田隆, 石橋英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】大腿骨頸部骨折は高齢者に多く, 脳血管障害, 痴呆とともに寝たきりの主要要因となり, 機能予後が生命予後にも影響を与えると言われている. 一方, 手術方法や術後管理の改善と理学療法の進め方により, 骨折後も高いADLを維持している高齢者も少なくない. しかし, 骨折後の高齢者の運動能力を調査した報告は少なく, 運動能力とADLとの関連も不明である. 今回我々は, 退院後の大腿骨頸部骨折患者のADL調査と運動能力測定を行い, 両者の相関を検討したので報告する. 【対象と方法】1999年1月から2001年5月までに, 東京都老人医療センター整形外科にて大腿骨頸部骨折治療を受けた372例(男性68例, 女性304例, 平均年齢84.2±7.9歳)を対象とし, ADLに関するアンケート調査を行った. 退院後調査までの期間は3.9ヶ月から34ヶ月, 平均19.1ヶ月である. 調査内容は, 歩行能力(歩行不可, 屋内のみ, 屋外30分以内, 30分以上の4段階), BADL, IADL, 及び要介護度である. また, 自立歩行可能な症例のうち4例(男性6例, 女性38例, 平均年齢81.0±7.0歳)については, 運動能力測定を行った. 測定項目は, 下肢ROM, 膝伸展筋トルク, 握力, 10m歩行時間, Timed Up & Go Test, Functional Reach Test, 重心動揺計による重心動揺距離, ロンベルグ率, 及びMMSEである. 【結果】372例中191例でアンケート調査の回答が得られた. これにより, BADLはIADLと歩行能力, 要介護度との間で高い相関を認め, IADLは歩行能力, 要介護度の間で高い相関を認めた. 運動機能測定を行った44名の結果では, BADLはいずれの項目とも相関は見られなかった. IADLと相関が高かったのは膝関節屈曲拘縮, 膝伸展筋トルク, 握力, 10m歩行時間, Timed Up & Go Test, MMSEであった(p
ISSN:0289-3770