中高年者の膝前十字靭帯再建術後の理学療法
【はじめに】膝前十字靭帯(以下ACL)損傷に対する手術は, 従来若年スポーツ愛好家を中心に行われ, 中高年者には積極的には行われてこなかった. しかし, 近年術後成績の安定と向上が図られ, 国民の健康意識, QOLの高まりとともに中高年者のスポーツ人口は増加してきており, その適応は40歳以上の症例にも拡がりつつあるといえる. 今回, われわれは40歳以上のACL再建術に着目し, 理学療法及びそのフォローアップを行い, 若干の知見を得たので報告する. 【対象と方法】対象は, 1997年8月から2002年7月までに当院でACL再建術を施行した86例中, 経過観察可能であった40例40膝を対象とし...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2003-04, Vol.30 (suppl-2), p.114-114 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】膝前十字靭帯(以下ACL)損傷に対する手術は, 従来若年スポーツ愛好家を中心に行われ, 中高年者には積極的には行われてこなかった. しかし, 近年術後成績の安定と向上が図られ, 国民の健康意識, QOLの高まりとともに中高年者のスポーツ人口は増加してきており, その適応は40歳以上の症例にも拡がりつつあるといえる. 今回, われわれは40歳以上のACL再建術に着目し, 理学療法及びそのフォローアップを行い, 若干の知見を得たので報告する. 【対象と方法】対象は, 1997年8月から2002年7月までに当院でACL再建術を施行した86例中, 経過観察可能であった40例40膝を対象とした. 方法は, 40歳以上の7例7膝(男性2名, 女性5名)平均年齢44.2歳をA群, 39歳以下33例33膝(男性20名, 女性13名)平均年齢25.1歳をB群とし, 膝関節可動域, 膝筋力のデータを診療記録より抽出し, 比較検討した. スポーツ復帰状況はA群を対象に, アンケート調査を行った. 【結果】(1)術式は全例関節鏡視下再建術で, 骨付き膝蓋腱による再建37例, 腸脛靭帯による再建が3例であった. 後療法は, 術後2日よりACL用装具下での膝関節可動域運動, 筋力増強運動を解放運動連鎖(OKC)で行い, 術後2週で全荷重, 3週で膝伸筋屈筋等速性筋力増強運動を開始した. 術後3, 6, 9ヶ月にCYBEX770-NORMを用い, 60度/秒でのピークトルクを測定し健患側比により評価した. 4ヶ月でジョギング, 6~9ヶ月以降スポーツ活動開始とした. (2)術後膝関節可動域は, A群は6例が正座可能, 1例が屈曲140度で現在も理学療法継続中である. また, 伸展制限はいずれの症例にも認められなかった. B群は全例正座可能, 伸展制限は認められなかった. (3)筋力の健患側比は平均値で, A群, 術後3ヶ月伸筋71%屈筋84%, 6ヶ月伸筋84%屈筋89%, 9ヶ月伸筋84%屈筋94%であった. B群は, 術後3ヶ月伸筋67%屈筋83%, 6ヶ月伸筋78%屈筋92%, 9ヶ月伸筋84%屈筋94%であり, 両群間に有意な差は認められなかった(P |
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ISSN: | 0289-3770 |