通所サービス利用者の活動能力調査
【目的】通所サービスを利用している高齢者において, 同じ介護度でも, 日常生活における動作能力と活動能力に差を認める場面を多く経験している. これは, 介護度判定やBarthel Indexに代表されるADLテストでは, 主に動作能力を評価しており活動能力を診る項目が少ないために差が生じると考える. 今回, サービス利用者の活動能力を調査し, 介護度, ADLテストの結果と比較した. 【対象】当院通所サービスを利用し調査の主旨を本人, 家族に説明し同意が得られ, かつ重度の痴呆症状がない高齢者44名(男性14名, 女性30名, 平均年齢78.3歳)を対象とした. 介護度の内訳は要支援4名, 介...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2003-04, Vol.30 (suppl-2), p.82-82 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】通所サービスを利用している高齢者において, 同じ介護度でも, 日常生活における動作能力と活動能力に差を認める場面を多く経験している. これは, 介護度判定やBarthel Indexに代表されるADLテストでは, 主に動作能力を評価しており活動能力を診る項目が少ないために差が生じると考える. 今回, サービス利用者の活動能力を調査し, 介護度, ADLテストの結果と比較した. 【対象】当院通所サービスを利用し調査の主旨を本人, 家族に説明し同意が得られ, かつ重度の痴呆症状がない高齢者44名(男性14名, 女性30名, 平均年齢78.3歳)を対象とした. 介護度の内訳は要支援4名, 介護度1:16名, 2:9名, 3:6名, 4:5名, 5:4名である. 【調査】介護度は平成14年現在のものを調査し, 日常生活動作はBarthel Index(以下BI), 活動能力は平成11年文部省作成の新体力テストのテスト前チェック表(全12項目, 36点満点, 以下チェック表)を使用した. BIはPTにて評価し, チェック表は聞き取りにて調査を行った. 調査後, 各項目間の相関をSpearmanの順位相関係数により求め, また, 各項目内の分散を調べた. 【結果】介護度別BI得点の平均は要支援が100, 介護度1:92.8, 2:78.3, 3:55.8, 4:41.0, 5:26.3であった. チェック表得点の平均は, 要支援が22.5, 介護度1:15.6, 2:14.1, 3:10.8, 4:10.2, 5:9.5であった. BIとチェック表の相関は0.868と正の相関が認められ, 介護度とチェック表では-0.611と負の相関を認めた. 介護度内におけるBI得点の分散は, 介護度が高くなるに伴い差が大きくなり, 特に介護度3では最大差55点と顕著であった. チェック表得点では介護度が高くなるに伴い差が小さくなることを認めた. 中でも比較的BI得点に大きな差を認めなかった介護度1で, 最大13点と顕著な差を認めた. 【まとめ】リハビリテーションにおいてはBI等のADLテストが生活の自立度や機能回復の評価判定などに用いられている. しかし, ADLテストは主として障害者用に開発されたものであり, 活動能力としては低い能力水準の可否を判定するものであるため定量的な評価が困難である. また, 介護度判定調査も同様と考える. しかし, 通所サービス利用者は普段在宅にて生活しているため, 上記の調査, 評価では活動能力の把握は不十分と考え, 今回, 通所サービス利用者を対象に, 新体力テストで用いるチェック表を使用し活動能力の調査を行った. 結果, BI点数や介護度が同じであっても, 活動能力に差を認めた. このことから, 通所サービス利用者においてはケアやリハビリテーションの面からも活動能力を調査し把握する必要性があると考える. |
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ISSN: | 0289-3770 |