転倒しても重篤なケガをしなかった施設利用高齢者の特徴について

介護老人保健施設の利用者90名(男性22名,女性68名,平均年齢82.9 ± 7.1歳)を対象に,転倒しても重篤なケガをしなかった高齢者の特徴を明らかにすることを目的として自記式調査票による研究を行った。非転倒群,(転倒による)ケガ群,(転倒による)ケガあり群の3群間において,年齢,性別,住居地,痴呆度および歩行能力は,それぞれ有意差を認めなかった。ケガ群はケガあり群に比べ,視力低下など自己の身体機能低下を有意に自覚し,非転倒群に比べ,バランス能力,筋力の低下を認めた。また,ケガ群は非転倒群に比べて,「転倒が怖くて外に出るのを控えることがある」という項目が,年齢,性別,住居地,痴呆度,歩行能力...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2003/04/20, Vol.30(2), pp.41-47
Hauptverfasser: 樋口, 由美, 須藤, 洋明, 竹田, 祥子, 田中, 則子, 淵岡, 聡, 林, 義孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:介護老人保健施設の利用者90名(男性22名,女性68名,平均年齢82.9 ± 7.1歳)を対象に,転倒しても重篤なケガをしなかった高齢者の特徴を明らかにすることを目的として自記式調査票による研究を行った。非転倒群,(転倒による)ケガ群,(転倒による)ケガあり群の3群間において,年齢,性別,住居地,痴呆度および歩行能力は,それぞれ有意差を認めなかった。ケガ群はケガあり群に比べ,視力低下など自己の身体機能低下を有意に自覚し,非転倒群に比べ,バランス能力,筋力の低下を認めた。また,ケガ群は非転倒群に比べて,「転倒が怖くて外に出るのを控えることがある」という項目が,年齢,性別,住居地,痴呆度,歩行能力に関係なく,有意な特性であった。一方,ケガあり群と非転倒群の間には,有意な差は認められなかった。以上から転倒しても重篤なケガをしなかった高齢者の特徴は,バランス,筋力の低下がみられるものの,自己の機能低下を強く自覚し,日常生活において転倒に留意している様子が推察された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001019713