悪性軟部腫瘍広範切除に伴う広背筋皮弁採取が肩関節機能に及ぼす影響

筋弁・筋皮弁は, 大きな組織欠損をもたらす開放性骨折や悪性腫瘍切除後の再建材料として利用価値が高い. なかでも筋皮弁として用いられる広背筋は, 筋自体にボリュームがあり, 局所皮弁にも遠隔皮弁にも有用である. 広背筋は肩関節伸展を主動作とし, および他の筋群と共同し肩関節を含む肩甲帯の機能に大きく関与する重要な筋である. 本研究の目的は, 筋皮弁採取による広背筋の欠損が肩関節筋力に及ぼす影響を術前後で比較し検討することである. 〔対象〕対象は, 過去6年間に当院で肩関節周囲の悪性軟部腫瘍に対し広範切除術を施行した11例のうち, 軟部組織欠損部に有茎移植として広背筋皮弁を併用した6症例である....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2001, Vol.28 (suppl-2), p.30-30
Hauptverfasser: 竹内知陽, 竹内富士子, 中島良仁, 中西啓介, 米川正洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:筋弁・筋皮弁は, 大きな組織欠損をもたらす開放性骨折や悪性腫瘍切除後の再建材料として利用価値が高い. なかでも筋皮弁として用いられる広背筋は, 筋自体にボリュームがあり, 局所皮弁にも遠隔皮弁にも有用である. 広背筋は肩関節伸展を主動作とし, および他の筋群と共同し肩関節を含む肩甲帯の機能に大きく関与する重要な筋である. 本研究の目的は, 筋皮弁採取による広背筋の欠損が肩関節筋力に及ぼす影響を術前後で比較し検討することである. 〔対象〕対象は, 過去6年間に当院で肩関節周囲の悪性軟部腫瘍に対し広範切除術を施行した11例のうち, 軟部組織欠損部に有茎移植として広背筋皮弁を併用した6症例である. 男性4例女性2例, 平均年齢57歳(43~86歳), 手術時の診断は, 上腕近位部悪性線維性組織球腫2例, 肩上部隆起性皮膚線維肉腫2例, 肩上部汗腺癌1例, 肩甲上部神経肉腫1例であった. 全例右利きであったが, 術側は右2例, 左4例であった. なお, 広範切除術に伴い広背筋以外の筋の一部を切除した症例があった.
ISSN:0289-3770