脳の可塑性とリハビリテーション

1966年にサルに運動を学習させ, 神経細胞活動を記録することにより随意運動はどのように行われるかという研究がスタートした. そして, 脳の働きが変わるのは, シナプスで機能と形態が変わるためであること, つまりシナプスの可塑性(neuroanatomical plasticity)あるいは脳の可塑性によることが, 1980年ごろまでの神経生理学の研究で明らかにされてきた. 1980年代, PETやfMRIなどにより人間の脳活動を記録することが可能になり, 従来のサルを用いた研究と結びつき脳の高次機能の解明に寄与した. その後, 研究は老人や子供にも適用され, 1990年代になって, 発達と老...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2001/10/20, Vol.28(6), pp.243-249
1. Verfasser: 久保田, 競
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1966年にサルに運動を学習させ, 神経細胞活動を記録することにより随意運動はどのように行われるかという研究がスタートした. そして, 脳の働きが変わるのは, シナプスで機能と形態が変わるためであること, つまりシナプスの可塑性(neuroanatomical plasticity)あるいは脳の可塑性によることが, 1980年ごろまでの神経生理学の研究で明らかにされてきた. 1980年代, PETやfMRIなどにより人間の脳活動を記録することが可能になり, 従来のサルを用いた研究と結びつき脳の高次機能の解明に寄与した. その後, 研究は老人や子供にも適用され, 1990年代になって, 発達と老化で脳の働きが変わるのもシナプスの可塑性によることが明らかにされた. 1996年頃から, サルを用いて脳梗塞における脳内の変化が研究され, 可塑性の研究は, 脳に障害や病気のある場合に広がり, 障害や病気があっても, 脳の働さが変わるのはシナプスの可塑性によることが明らかとなった.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003131783