老年期痴呆

契約によるサービスになると, 利用者が, サービス提供者を選択することができます. これまでの行政措置だと, 特別養護老人ホームに入居したい人は役所に申請しますが, どの特養に入居するかを決めるのは, 役所の裁量で, 住民が決めることはできなかったのです. しかし, 今後は, 住民が, どこの特養に入るか決めることになります. そうすると, 当然, サービスの良いところが選ばれ, 悪いところは人が集まらなくなります. したがって, 福祉サービスに競争原理が導入され, よりよいサービスをより安く提供するサービス提供者が生き残ることになるはずです. ただし, ここには重要なハードルがあります. 第...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-3), p.19-19
1. Verfasser: 斎藤正彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:契約によるサービスになると, 利用者が, サービス提供者を選択することができます. これまでの行政措置だと, 特別養護老人ホームに入居したい人は役所に申請しますが, どの特養に入居するかを決めるのは, 役所の裁量で, 住民が決めることはできなかったのです. しかし, 今後は, 住民が, どこの特養に入るか決めることになります. そうすると, 当然, サービスの良いところが選ばれ, 悪いところは人が集まらなくなります. したがって, 福祉サービスに競争原理が導入され, よりよいサービスをより安く提供するサービス提供者が生き残ることになるはずです. ただし, ここには重要なハードルがあります. 第一には, 選択できるだけのサービス提供者が現れる条件が整わなければならないということです. 東京で, 現在, 特別養護老人ホームに入居しようと思うと2~3年は待たなければなりません. 今後も, こうした事態が続くなら, 競争原理が働かないどころか, 極端な売り手市場ということになりますから, 劣悪なサービスを高く提供されても, 必要な人は買わなければならないということになってしまいます. 保険料も自己負担も少しでも安い方がいいに決まっていますが, それが安すぎて介護報酬が低く抑えられすぎると, 採算がとれなくなり, よい企業が介護サービスに参入することもなくなってしまいます. そのためには, ただただ負担の軽減を主張するのではなく, 国民が広く応分の負担を負い, 必要な財源を確保する姿勢が重要です.
ISSN:0289-3770