機能訓練事業における訓練効果
老人保健法による機能訓練事業の効果については, 他者との交流や外出の機会としての心理・社会的側面から論じられることが多い. それは, 対象者が慢性期疾患患者や高齢者であることや, 機能訓練の内容がグループワーク的な性質が強いことと大いに関係する. そこで当苑では, グループ体操の他に積極的に個別訓練を組み合わせることにより効果がみられたので報告する. 「対象及び方法」対象は平成11年9月現在当苑の通所機能訓練に参加している49例のうち, 積極的に個別訓練を組み合わせて2年間フォローアップできた16例(男性10例, 女性6例, 全例が脳血管障害, 平均年齢65.5±10.7歳)である. 個別訓練...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.279-279 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 老人保健法による機能訓練事業の効果については, 他者との交流や外出の機会としての心理・社会的側面から論じられることが多い. それは, 対象者が慢性期疾患患者や高齢者であることや, 機能訓練の内容がグループワーク的な性質が強いことと大いに関係する. そこで当苑では, グループ体操の他に積極的に個別訓練を組み合わせることにより効果がみられたので報告する. 「対象及び方法」対象は平成11年9月現在当苑の通所機能訓練に参加している49例のうち, 積極的に個別訓練を組み合わせて2年間フォローアップできた16例(男性10例, 女性6例, 全例が脳血管障害, 平均年齢65.5±10.7歳)である. 個別訓練はストレッチやO-G技研社製N-Kテーブルでの50%1 repetition maximum(1RM)の負荷での膝伸展筋筋力強化の他, スクワット, カフレイズを組み合わせ, 週2回約30分施行した. 対象に対し, 基本的なPT評価の他, 10m最大歩行速度, 膝伸展筋力を測定した. 膝伸展筋力は, N-Kテーブルにて1RMを測定し, 体重で除した値(膝伸展筋力体重比)を算出した. (1)年齢(若年群n=8, 高齢群n=8)(2)2年間に1ヵ月以上の入院経験の有無(有n=6, 無n=10)により分類し, 訓練開始時と2年後の各評価項目について比較検討した. 統計的手法はWilcoxonの順位和検定を用い, 有意水準を5%未満とした. 「結果及び考察」(1)年齢からの比較;平均年齢は57.5±6.9歳, 73.5±7.1歳であった. 両群とも訓練開始時と2年後では, 麻痺の程度, 歩行速度, 患側, 健側の膝伸展筋力体重比に於いて有意な変化はなかった. しかし, 患側膝伸展筋力体重比は, 訓練開始時は高齢群が有意に高値を示したが, 2年後には両群の差を認めなくなった. 開始時の差は麻痺が軽度の者が高齢群に多かった為と思われるが, 若年群での患側の筋力改善傾向が見られたことは訓練効果によるものと考えられる. また, 健側膝伸展筋力体重比については, 開始時は両群に差を認めなかったが, 2年後には若年群が有意に高値を示した. (P |
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ISSN: | 0289-3770 |